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夢と狂気の王国 【砂田麻美監督】

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映画館で鑑賞。


今年も後残り一日。
やはり、今年最大の話題、宮崎監督の引退も兼ねてこの映画の記事を書くことをチョイスしました。



【あらすじ・解説】デビュー作『エンディングノート』が絶賛された砂田麻美監督が、国民的アニメーションスタジオ、スタジオジブリを捉えたドキュメンタリー。『となりのトトロ』など世界中で愛されている名作の数々を生み出してきたジブリの中核を担う宮崎駿監督、高畑勲監督、鈴木敏夫プロデューサーに密着し、緊張感に満ちた創作の現場を映し出す。数十年にわたり苦楽を共にしてきた三人の確執や作品に懸ける思い、夢を生み出す創作の秘密に触れることができる。[Yahoo 映画]


“ジブリを”と謳ってますがほぼ宮さん(鈴木Pの影響で今回はこの呼称で統一してます。高畑監督も同じです)&鈴木Pコンビのいつものドキュメンタリでした。
新作発表のとき日本テレビけいか日本放送協会のどっちかが流してますので見慣れたドキュメンタリです。
と言っても、この二人のファンですしシリーズ最新作という感じでみれば全然見られます。この手の1作目はやっぱり「もののけ姫ができるまで」でしょうか。あれはDVDを買ってましてたまに見ます。あの頃でもう白髪になってるので宮さん大丈夫かな、と思ってましたら今も全然元気でした。

引退した理由が年の影響を言ってたりしてますし、劇中でも厳しいとありますが歩く姿とか見ると72歳には見えないです。まだ全然元気。あれ作品まだまだ作れるんでないの、と期待してしまいます。
「風たちぬ」のラストも当初は“来て”だったのが“生きて”に変わったりと前向きに。これには声優で参加した庵野監督もまだまだ宮さん行けそうですね、と鈴木Pと話てたぐらいなので。短編か中篇でまだ作品は見られるかもしれないですね。で、作ってるうちに中篇とかでは描けなくて結局、長編アニメになって無事復帰。私は甘い観測のもとコレに期待してます(笑)


などなど「風たちぬ」の製作の裏側がほぼメインでした。
見所を少々。
まずは声優の決定シーン。冗談っぽく鈴木Pが庵野さんの名前を出して宮さんが乗り気、あれ行けるんじゃない、二人盛り上がる。他のスタッフは素人に・・・と唖然とした表情。しかし、この二人に逆らえるわけもなくって空気が画面いっぱいに流れてました(笑)
あと、ジブリのスタッフも映ってるシーンが多々あり、徹夜で披露困憊なんてシーンはなく定時就業を謳ってるので和やかなシーンがほとんど。ラジオ体操したり食事のシーンなど。ほのぼのしてます。実際は大変なんだろうなとは思いますが。とくにパクさんの方(笑)
が、1シーンだけ宮さんの怖さを想像させるシーンが1つ。この手のドキュメンタリでは宮さんは商業用に基本笑顔でインタビューを受けたりしてます。
が、作画?スタッフの一人がゼロ戦をどう描けばいいのかを聞きに言ったところ相当恐ろしい雰囲気(注:宮さんはゼロ戦にこだわりのあまりどうすればかっこよく描けるのか模索中でもあったようです)になったようで、怒声が飛んだりまでは行かなかったようですが、そのスタッフの目が思い出しただけで虚ろになってたのはその場の雰囲気が伝わってきました(笑)商業用のジブリスタジオしか映ることがないのでこういうピリっとした雰囲気もしっかり切り取ってたのは砂田監督のナイスチョイスでした。

もう一つ。
劇中でのインタビューでも宮さんは「私は幸せとは思っちゃいない」といってまして、他のインタビューでもそんなこと言ってたな、と記憶があり、印象に残ってました。
けど、宮さんあなた不幸ではないでしょ。不幸だったらそんな幸せそうな笑顔はそう出ない。鈴木Pとのやり取りで何かを思いついたときの笑顔を見ると少年のようとはよく言ったものでコレがアイディアの元なのでは、なんて。それが元気の秘訣だったりするんでしょうね。ということで70過ぎてもまだまだ元気で何かをしてくれそうでした。

子供と言っても宮さんの子供というわけではなく子供全体に対する思いも色々と伝わるインタビュー等でしたが一つだけ。煙草は吸ってもいいですけど歩き煙草はダメ!子供が近くにいたら別なんでしょうけど。ただだいぶ後ろにですが幼稚園児が歩いてたので監督との2ショットがJTのマナー講座のCMみたいに見えちゃいましたのでここで書きました。


あと、つけたしのようですがパクさん側の遅延。担当プロデューサーはやつれてましたね。
鈴木P曰くやっぱりな、らしいですけど(笑)って笑え無いぐらい頭は抱えてましたけど。

映画のポスターでこの二人の天才の考え方の違いがはっきりでてました。
宮さんは即決、というか任せてました。ただパクさんは長かったです。感で動くタイプと熟考タイプとはっきり出てました。

こう見ると他の映画とは違ってジブリのプロデューサーは資金、スタッフ集めなどのほかにも制作のアドバイザーみたいなのが強いですね。常に傍で待機してないと難しいようです。で鈴木Pは両方の面倒見れなくて新人を引っ張ってきて各担当にしてました。
来年は米林監督の新作が発表。息子ゴローさんは劇中で新作に対する協議というか喧嘩してました(笑)
風たちぬ以外のジブリの面々もちゃんと描かれてました。

欲を言えば、ポスターにあった3人ショットをもっと見たかったかな。パクさんはカメラの前で喋るシーンすくなかったですし。

めっちゃ余談ですけどスケジュール担当の三吉さんが可愛かったです。
最初は宮さんの秘書?と思いましたけど上に書いた担当。けどやっぱり後々見てると秘書、もしくは鈴木Pの影武者的な。上手に宮さんを転がしてるようです(笑)

時間の割りにしっかり押さえるところは押さえてたジブリドキュメンタリーでした。
やっぱりカメラを持ち込むと警戒されたりするもんですけど、コミュニケーションが上手いんでしょうね。あとメインの二人からすると監督は孫みたいな年なのも上手く行ったのかも。
砂田監督の「エンディングノート」はまだ未見ですが今後も期待したいです。師匠の是枝監督みたいの劇作品もできそうですが。



総評:★★★★☆
映像 (3) 構成力・展開 (3) 脚本(3) 役者 (5)
演出力 (5) キャラクター (4) オリジナリティ(4)
五段階評価です

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