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Channel: 映画を観る日々
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トウキョウトライブ/TOKYO TRIBE 【園子温監督】

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映画館で鑑賞。


今年は6月から、中島監督、8月に三池監督、園監督と日本の4大好きな監督(あと一人は内田監督)作品が続けて上映と小躍りはしてなかったでんすけどそれくらい心躍ってたのですが、8月公開の作品は内容を聞くとなんかいつもと違う感じがしてイマイチ劇場まで行く気になれず。この二人は毎回、あの手この手で違うジャンルの映画を撮ってきましたが「らしさ」が無かったので・・・こちらの東京TRIBEを三池監督が撮ってるほうがらしい気もしますが。なぜか園監督でどうなるんでしょ?と当たって砕けろの精神で劇場へ。


【あらすじ・解説】井上三太の人気コミック「TOKYO TRIBE2」を実写化したアクション。近未来都市を舞台に、ストリートギャングの若者たちが繰り広げる抗争の行方を映す。メガホンを取るのは、『冷たい熱帯魚』『地獄でなぜ悪い』などの園子温。主演を務める『HK/変態仮面』などの鈴木亮平とラッパーのYOUNG DAISを筆頭に、佐藤隆太、中川翔子、染谷将太、でんでん、窪塚洋介、竹内力などバラエティーに富んだ顔ぶれが結集。彼らが織り成す熱演や怪演に加え、園監督ならではの鮮烈な演出も光る。[Yahoo 映画]


園監督の好きなところは実験的な精神とスタイル、そして、ときどき香る自主制作の匂い。この自主制作の部分は懐かしさとチープさがあってたまにマイナスになってしまうところもありますが、映像製作学校に行ってた身としては懐かしさがあり、そこも好きなところ。堤監督と似てる部分もあるのですが大きな違いは風呂敷を広げすぎない、ちゃんと話をたたむところで、あの監督は違います。堤さんも好きなんですけどね。


では、前置きが長くなりましたが、今回の園劇場はと言いますと。

まさかの

ヒップホップミュージカル映画!

字を大きくして言うほどでもないですし、公式HPにも載ってるので今更ですけど。
何も知らずに見に行って口があんぐり。


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冒頭に染谷さんが登場して、あれ主人公でしたっけ?と思いながらラップを披露。この後もラップを何回か披露するも話の深く関わるキャラではなく。この冒頭に8分くらいのブクロの案内の長回しシーンが続きます。ここで心に決めました。何も考えずに見ようと(笑)

実験的過ぎて考えるだけ野暮、無駄と気づきました。

セリフは何箇所かありますが基本はラップです。ラップでいいのかヒップホップでいいのか解りませんが。
ストリートギャングたちはほぼラッパーの面々。そこに園組の俳優が絡んで妙な組み合わせになってます。

これは完全に私見ですが。
曲者揃いな上に濃く、しかも演技達者の園組に、演技は素人のラッパーだと演技の差が目に付くので円滑になるように中和剤的に鈴木さんあたりが主役に付いたのでは?!と思いましたが。


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鈴木さんがここで大化けしました(笑)
「ガッチャマン」で見た印象は黄レンジャーの似合う感じのいい兄貴分なイメージでしたが、ラップは見事に決めるは肉体美は披露するは(この点は前から定評があったみたいですが)、園組に負けじと演技でも存在感みせるはで、見事な主役を演じてました。



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ただ、原作のTRIBE2などはカイが主役でして、話の進行は、やはりカイ目線なはずなんですけど。カイの登場シーンが少ないです。鈴木さん演じるメラは敵役ポジなのにこちらの話ばっかりで、原作を知らなくても「?」になる展開です。
そこから、上の鈴木さんの大化けで変更したのでは?と勘ぐっちゃいました。
演技慣れしてるしてないがはっきり出てました。
カイが敵の本拠地から逃げるシーンで、兄貴分の遺体を手押し三輪車で運ぶシーンがあるんですけど。ここはほぼラッパー組が担当。セリフのやり取りが珍しくあるんですけど。目の前にあきらかに目につく布をかぶった三輪車があるのに、テラさん(カイの兄貴分)はどうしたんだよ?って聞くシーン。監督ももう少し演技指導か、セリフ変えればよかったのに、と想うほど残念なシーン。ただ、ラップがメインの映画なのでラップシーンはさすがです。好きなジャンルでないので詳しくはないですが各々のキャラクターみたいのがはっきりしてるので、慣れてない私でも聞き分けしやすく映画にも馴染めやすかったです。


もう原作ストーリー上メインのグループSARUよりもウーロンズの面々のほうが濃いくて面白いんですよ。
鈴木さんは上に書いたとおり。

そこに、目をぎょろぎょろさせるヤクザのボス役竹内力さん。ラップも披露。
この人はミナミの帝王のときは渋い役なんですけど、映画のときは三枚目が多いですね(笑)この人が寄り目になってるだけでヤバいってのは伝わりますし。

もう一人は窪塚洋介さん。ヤクザの息子役。
変な髪形で、ストーリーに深く関わらず妙なポジションでふらふらしてますがらしい役でした。
二人ともCDだしてたりしまし、窪塚さんは本格的に活動してたりしますので、歌詞も考えたとか。
妖しい存在感はさすがでした。うーん、やっぱりこの人の志々雄も見たかった・・・


話の主役よりも、3人のキャラが劇中の3分の2、暴れ続ける話でした。


なので話としては見事に盛り上がりません。
ストーリーの主役はカイなのになぜか映画の作品としては敵役のメラがメインなので、感情の移入場所でさ迷います。
ただでさえ実験的過ぎる、ヒップホップミュージカル映画なので、普通の映画として見に行くと大変な目にあうこと間違いなしです(笑)


ヒップホップが苦手な方は回避推奨です。
私は嫌いじゃなですし、好きなアーティストもいるくらいなのでヒップホップは抵抗無かったのでこういう記事です。
園監督作品なので、まずそこがダメ!ならこれまた回避推奨です。ただ、いつもの園監督以上に実験的なことをしてますのでもうまな板の鯉常態で鑑賞がおススメです。

ただ、ネタとしては面白かったですけどイチ映画としてはイマイチでした。



総評:★★★☆☆
映像 (3) 構成力・展開 (3) 脚本(3) 役者 (5)
演出力 (2) キャラクター (3) オリジナリティ(3)
五段階評価です

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