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Channel: 映画を観る日々
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セッション 【デイミアン・チャゼル監督】

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映画館で鑑賞。


先日、記事にしました東宝新宿シネマズで見たのがこの作品。
ひっさびさの東京だ!新宿だ!で前日から映画のことよりも無事につけるのかでドキドキ。そして着くと真新しい劇場にワクワク。隣に座った人が綺麗な女性でムrじゃないドキドキ(笑)映画に集中できない状態で上映開始。
上映前の記憶はドラム奏者の師弟話のみ。どうなる、この映画?!



【あらすじ・解説】サンダンス映画祭でのグランプリと観客賞受賞を筆頭に、さまざまな映画賞で旋風を巻き起こした音楽ドラマ。ジャズドラムを学ぼうと名門音楽学校に入った青年と、彼にすさまじいスパルタ的指導を行う教師の姿を追い掛けていく。メガホンを取るのは、『グランドピアノ 狙われた黒鍵』などの脚本を手掛けてきた俊英デイミアン・チャゼル。主演は『ダイバージェント』などのマイルズ・テラーと『JUNO/ジュノ』などのJ・K・シモンズ。熱いドラマはもちろん、マイルズが繰り出すパワフルなドラミングにも圧倒される。[Yahoo 映画]



鑑賞前の気分なんか全てぶっ飛んだ107分間。


決して、楽しい映画ではないが、


心に突き刺さる1本


当ブログへお越しの皆様。ぜひ、この映画の鑑賞をおススメします!




というベタ褒めでスタート。


原題は「WHIPLASH」
あれセッションと全然関係ない。直訳だと鞭を打つ。うーんと、スパルタ教育的な意味だったのかな。
あとは曲名でもあるみたいですが。前者かな。今回はだいぶ邦題が飛んでますけど「セッション」で似合ってたので成功かも。


ジャンルは一つに括れません。
先日、記事を書いた「バードマン」はジャンル分不能の映画。
こちらは、そういった括れないではなく、色々なジャンルで見て楽しむ部分があり。



まずは青春もの、音楽もの部分。

一人の青年がジャズドラム奏者として成長しようとする物語であり。
マエストロ。そういえば、ジャズ伴奏に指揮者のかたがいるバンドもあるんですね。

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ジャズは即興で演奏したり、ソロで演奏したりするイメージがあってバンドスタイルのイメージがあまりなく。指揮者がいることに最初はびっくり。

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そんなマエストロというか鬼教官との一対一の指導?いや対決も見所。



そう、この指導がまた違った魅力と怖さがあり。
ここは、サスペンス的な部分もあるんです。
前半途中から中盤にかけては精神実験、洗脳サスペンスか、これは?!というスタイル。主人公のアンドリューがどんどん精神的にも肉体的にも追い込まれていきます。しかし、これだとただの圧迫修行。ほんとの洗脳はここでちゃんとアメの部分も上手く使うんですよね。これが観客には解りやすく、主人公アンドリューにはわかりづらく。見事に追い込みをかけます。
彼の行く末はどうなるのか?どう転ぶのかさっぱり読めず。見事な脚本です。


この中盤には血のステッキ状態でちゃんとスポ根部分もありスポーツドラマ、青春ものをしっかり。

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あと苦い不味い恋の部分も。可愛い子なのにもったいない、痛い別れ方しちゃいます。演奏家というより奏者なのが分岐点な気もします。表現者ではなくあくまでもテンポを求道してるかな。


そうそう、家族ドラマもあり。
アンドリューの家族構成は教員の父。しかし、昔の夢の小説家?の夢を諦めきれず。そんな姿に呆れられ母親は家を出て。そんな親子関係もあってか、自分は成功者になりたいという願望が根底にあり。
もう一つ、音楽家への拘りは親戚の影響もあるようで。どうも、この一族は、クラスカースト制の上の部分でいることが誇りらしく。大学の下位リーグだろうが主将でエースであることが誇り(素晴らしいことなんですけど)でそれ以外は論外とあざ笑う一族。音楽でどうやって飯を食っていく?な一族。そりゃ、アンドリューはどんどん意固地になるわけで。

このシーンは重要で父親との距離が生まれたシーン。
ラストはなぜUターンしたのか。それは父親が守ってくれる存在ではないと知ってしまったから、かな?と思ってます。



そして後半。
アンドリューの壊れた先に待つのは。

なんと対決。どう戦うかは見てのお楽しみ。
殴ったりはしません。
けど、私の手は涼しい空調の効いた東宝シネマズ(宣伝じゃないですけど(笑))の劇場で汗をかいてました。


そして、アクション映画よりも迫力がある演奏シーン。
練習シーンや血染めのステッキのときも迫力があります。けど普通に演奏シーンもかなり編集効果で目線でもリズムがとれるテンポは本当に素晴らしいです。今はフィルムを切って貼ってじゃないから編集しやすいとは思いますが。それでもこのリズム感は癖になる心地よさもありました。



問題は・・・
私に音楽に対してはリズム感が無いこと(笑)

予告にもあった、1,2,3,4、バチン!と平手撃ちのシーンなど、どっちが早いんだかどっちが遅いんだかさっぱり(笑)あれは解る人なら解るのかな?普通は解らないですよね?それくらい微妙な差だと思ってみてました(^^;)ゞ




最後は冗談で締めましたが、色々なジャンルが複合した娯楽作の部分と誰の心にも残るラスト9分は見事です。

音楽ってもっと自由に楽しむもんだ、と思いましたが。それとは別の完璧なリズムが求められる世界もあるのだと。
演奏練習ってこのリズムが極限まであわせる作業の部分もあったりするんですかね。クラシックだと曲を理解して表現をあわせるイメージが、のダメとかでありましたが。こちらはどこまでリズムを完璧にするか。リズムに拘るのにもっと速くと倍のテンポで叩けと求めるあたりはほんとにサディスト指揮者ですよ・・・あんなに速く叩いてテンポもあわせてとか無理でしょ、と思うんですけど上手い人は出来るのかな。


キャストはほぼ二人のみ。
アンドリューの父、彼女はセリフが多少あったりしますがほぼ脇役。
この映画は二人だけの世界です。




まずは鬼軍曹指揮者テレンスのJ・K・シモンズでしょうか。

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あのスキンヘッドと筋肉。鬼軍曹指揮者役が抜群にはまってます。ラストシーン前の笑みなど、いやー恐ろしい(笑)
他人事だらか笑えますけど。あんな人が前に居たらそりゃ演奏者はピシっとなりますよね(_ _;)椅子ぶん投げたりしますし・・・だんだん、1,2,3,4が寝てる間も夢にでそうなくらい。アンドリューの夢には確実に出てるでしょうね(笑)ただ、稀に見せる笑顔には優しさが見えたりして。実に見事な演技。もっと出てると思いきや以外に戦争や軍事系の役は少ないんですね。今後増えそう。




そんな鬼軍曹にしごかれる主人公アンドリューを演じるマイルズ・テラーも。

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それほどイケメン君ではなく。この役は、音楽学校のクラスでも目立たない子が指揮者に認められステップアップしていく部分もあるのでちょうどいい役といえばちょうどいい役。
しかし。演奏シーンは凄まじいことに。血染めのステッキもですがもう汗だくでドラム打つシーンがもう。意識が朦朧となって打つシーンは凄まじいです。あと、上手い。18日間しか撮影スケジュールなかったって本当なんですかね。ほんとうに上手いかどうかは解らないですがまさに熱演。



キャストがそろい。
俊英の監督(なんと28歳!すごいのがまた出て着ました!)が自身の経験を元に(監督業に身を投じる前はジャズ演奏者を目指してたそうですこんな経験していたのか、と驚きの部分もありますが(笑)こういった描き方と演奏シーンはジャズ、音楽関係者からは不評なようですが^^;)脚本を書き。
見事な編集と音楽の力も魅力。

さまざまな要素がセッション(本来の意味はあわないですけど)した傑作になってます。



総評:★★★★★
映像 (5) 構成力・展開 (5) 脚本(5) 役者 (5)
演出力 (5) キャラクター (5) オリジナリティ(5)
五段階評価です

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