Quantcast
Channel: 映画を観る日々
Viewing all articles
Browse latest Browse all 797

そして父になる 【是枝 裕和監督】

$
0
0

イメージ 1

DVDで鑑賞。


映画館で見ようか見まいかと、悩んでるうちに公開劇場が少なくなり、上映回数も減って諦めてた1本。
DVDになったらすぐ見よう!と思ってたんですけど、なぜかとっつきにくくなって借りるのが億劫になり、このあいだようやく借りてきました。

何がだめなんだでしょ、と考えてましたら。
主演の福山さんかな。好き嫌いじゃなくて、なーんか見たいと思わない人なんですよ。気づいたら出てるとかはぜんぜん平気ですし、テレビのバラエティとか出られてると面白いですしいい人なんですけどね。
この映画に関しては。あぁ~悪い終わり方はしないな、ってのが見えてたからでしょうか。
ただ、どう転んでもいい映画だろ~ってのは予告から感じてました。



【あらすじ・解説】『誰も知らない』などの是枝裕和監督が子どもの取り違えという出来事に遭遇した2組の家族を通して、愛や絆、家族といったテーマを感動的に描くドラマ。順調で幸せな人生を送ってきたものの、運命的な出来事をきっかけに苦悩し成長する主人公を、大河ドラマ「龍馬伝」や『ガリレオ』シリーズの福山雅治が演じる。共演は、尾野真千子や真木よう子をはじめ、リリー・フランキー、樹木希林、夏八木勲ら個性派が集結。予期しない巡り合わせに家族が何を思い、選択するのか注目。[Yahoo 映画]


是枝監督らしい、大きな主張はないのにじっくり見られてウルっとくる1本。

ただし!

私の父性本能は刺激されず。いや、私の父性本能が薄いだけなのか。うーむ・・・

子供が居ない身より、子供がいる人のほうが刺さる映画なのかな?と思いました。
子供が自分の子でなかったら、血の繋がらない子だったら?あなたはこの子に対してどう思いますか?

ここは、母と父の差が顕著にでるんでしょうね。
母は出産の痛みに耐えて生まれた子。


そうか、ここか。どうも感情の起伏が薄いなと思った点は。


以外にさばさばしてる両母親。
もっとヒステリックになるかと思いきや以外にも受け入れちゃってましたね。多少心の揺らぎはありましたけどほんとうにさっぱりとした描写でした。母親って以外にこんなものかな?と思うんですけどこういう「事件」だともっと何かしら感情が爆発しそうでしが。
それは子供が無事に育ってたからかしら。

ここも結構なテーマだと思うのですが、この映画ではテーマと違うのかサラりと描かれてます。



話を戻しまして。


どうしても出産を経験しないので自分の子以前に子供が出来たという実感が薄いのが雄。
人間に限らずどの動物でもここの問題はあるらしいですね。母性本能はよく聞きますが、父性本能なんて滅多に聞きません。
この父性がいかにして芽生えるか、がこの映画。


仕事人間で完璧超人の主人公、野々宮良多を演じるの福山さん。
最高のキャスティングでしょうね。

こんなかっこいい人ならお父さんになって欲しい人No1じゃないですかね。
まだ未婚なのでこういうランキングにはなかなか入らないですけど。顔、スタイルよくて歌って冗談も言えて。けど、家庭感も薄い人なのでこうやって父、家庭について芽生えるってのがまた。

ストーリーは予想の範疇でしたが良い話だったのでやっぱり良かったです。
これで血縁だけを求める人の話だったらただの苦痛(笑)仕事人の父と子の限られた時間の中での交流を思い出したときにふと気づく血が繋がらなくても、出産をしてなくても、父として何かに気づいた瞬間。これがこの映画の見所でした。


あとは、キャストがやっぱりツボでした。
是枝監督人脈は相変わらず。樹木さんは相変わらずですし(笑)
ヒロインというかWお母さんはお初でしたけど、よかったですし。

何より驚きが。
リリーさん。
この人の役は悪役でもいい人役でもどこか風来坊なイメージあり。家庭人のイメージも遠い人。平成のフーテンのリリーさん。この人が主人公だったらそれはそれでまた面白い話になっただろうに、がありましたが。
以外にもこの映画ではいいパパ役をされたことに驚き。この人、なんでも出来るんだな、と改めて。
なーんか相当遊んできて、スタイルのいい、活きのいい奥さんに捕まって3人の子供に囲まれた人生を謳歌してる人が妙にはまってました。子供の相手とかしなさそうなのにね(笑)



あとは是枝監督らしい、大きな声の主張もなく、劇的な事件もなく、日常の連鎖の中で生まれる「気づき」が強く残る映画です。事件はあるっちゃあるんですけど。子供の取り違えという。けど、そこに大きなスポットを当てて、裁判が、や賠償が、はある程度にして、子供とどう接するかに悩む、にだけに焦点を当ててるので大きな事件ですけど、そこまで騒がしくならず。その後も特に劇的なことが起こる、一度だけあるか。けど、どちらかの子供が不注意で怪我をしてどーのこーのとかもないですし。相変わらずの日常の積み重ねで生まれる何かを感じる映画でした。


そして、良多父の答えは?


こうやってすごしたとさ、というお伽噺のように結末は描かれず、結果だけなのでこの後、どういう家族になったかは定かでないラストです。

これは見た人が各々で想像してください、だと思います。

私は、元に戻って二家族がこの縁で交流。親戚付き合いみたいな関係で交流してそう、という感想でした。
そうあって欲しいが強いですけども(笑)


星3なのはやっぱり子供が自分の子じゃないという喪失感が私にはいまいちピンと来なかったこと。と、そこから大事なことに気づくに大きなカタルシスはこなかったので。

やっぱ父性本能薄いようです(_ _;)


映画としてはいい映画でしたので細かい評価を高めにしてます。





総評:★★★☆☆+
映像 (4) 構成力・展開 (4) 脚本(4) 役者 (5)
演出力 (5) キャラクター (4) オリジナリティ(4)
五段階評価です

よろしければ、応援ボタンをクリックお願いします
↓(ブログ村ランキングポイントにご協力をお願いします<(_ _)>)
http://movie.blogmura.com/img/movie88_31.gif
にほんブログ村 映画ブログへ(クリックの際はこちらの文字からお願いします)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 797

Latest Images

Trending Articles