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Channel: 映画を観る日々
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記憶探偵と鍵のかかった少女 【ホルヘ・ドラド監督】

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映画館で鑑賞。


先月は面白い映画もあり、勢いに乗って当初は見る予定の無かった作品まで劇場に足を運びました。
それが、この作品。近場で公開してる場所が無かったので億劫でしたが、用事ついでに。なのでタイトル以外予備知識ゼロ。
そういえば予告すら見てないままでした(笑)


【あらすじ・解説】他人の記憶に入り込める特殊能力を持つ探偵が、謎めいた依頼人の少女の記憶に隠された謎に迫るミステリー。スペインのホルヘ・ドラド監督が、巧妙な伏線がいくつも存在する不穏な空気漂うドラマを構築。『ビトレイヤー』などで存在感を放つマーク・ストロングが初めて単独で映画主演を果たす。彼を翻弄(ほんろう)するヒロインに『ブリングリング』などのタイッサ・ファーミガがふんするほか、『ボーン』シリーズなどのブライアン・コックスらが共演。[Yahoo 映画]


なかなか、興味深いミステリーでした。
丁寧に描かれてますので、オチに至るまでが大体、読める展開になってます。

タイトルのイメージからすると。
記憶に関わる探偵と、心を閉ざす、もしくは鍵部屋に閉じこもった少女の話。
なんですけど。
だいたい合ってるんですけど。
少女が、あれ心に鍵はあまりかかってない。ちゃんと話をすればすぐ受け入れる?
鍵もどーも、上手いことして出入りできる?
と、作品を見ると邦題からのイメージとはちょいと違ます。ただ、原題がMindoscap/Anna。心情風景ですか。うーん、確かに原題のままだと伝わりづらいので。今回は上手いこと付けたかな。もうちょっと短いとなお良しな感じです。

さて、この映画の評価なんですけど。


ミステリーにしてはいまいちオチに驚きが足りない。
ドラマ性にしてはSF要素が邪魔。この作品では記憶を読み取り、映像化できる技術が発達した世界という超能力が裁判で認められてる世界だったりします。
かといって。この映像、記憶読み取り人の発言が証拠として確立されてるかというとそこまでされてない世界。

世界、社会を上手いこと作ってます。


イメージ 2

が、記憶の読み取りがお手手つないで吸盤つければ出来ますってのもどうかと。
あと、アメリカ映画でよく記憶の操作とかあれで出来たりすること多いですけど、あの吸盤って万能ですよね(笑)

なのでミステリー仕立てにした点でよく出来てますし、ちゃーんと伏線なども描かれてちゃーんとそれで展開されます。よく出来た火サスか。主人公がちょっとやつれてるので火サス的ではないですけどそんなミステリードラマ感です。


ただ。

これだけだとどうも締まりが悪い感じが記事を書く前に残ってまして。
どうもそれだけでは無い映画と考えてましたら。


あ、この映画。裁判システム、犯罪心理学、人の記憶、証言、そして弁護士をちょっと皮肉ってる?と思いついてやっと合点しました。

記憶の映像と現裁判システムならこの上ない証拠のはずが、人の記憶てのは不思議と主観や時間の経過で改ざんされちゃうこともあり。決定的な証拠にはならない。
冒頭に主人公である探偵ジョンと、被験者のアナのやり取りで社会病質者診断をサラっと皮肉ってます。知識ある人がそれをすれば重罪人も病質者と扱われてややっこしい裁判になることもありますので。

そして、この記憶探偵。
みょうに儲かってます。裁判で儲かる人=弁護士なイメージ。そしてアメリカ人に嫌われる職業(笑)
ただ、侮蔑の嫌われではなく、嫉妬の嫌われが強そうですが。

記憶という証拠をつかみ、裁判で勝負する。なんで儲かってるかといえば。ここが上手いことしてまして。秘匿義務なんてものを持ち出してるんです。こうすれば依頼人に不利な証拠とか出ないですから、上手いことすれば・・・
人はよくこういうこと思いつきますね。

なので、彼を弁護士に見立てると彼がまんまと深みにはまって落ちていく様は実に滑稽でスカッとするはず。

日本だと、そこまで弁護士=嫌われ職業でもないのですんなりイメージできず。
弁護士の部分は私の想像の思いつきなので製作意図とは不明です。


私も鑑賞後は心に傷を負った記憶探偵が少女に翻弄される話、にしか見えず。
可愛い子には気をつけないとね、くらいしか思いつかない状態でした。


と、まあ。私の勝ってな誇大解釈で一人納得して悦に入ってます(笑)



こんな誇大解釈をしなくても、丁寧なミステリーとして面白みのある内容です。
劇場鑑賞としてはパンチ不足でしたけど、DVDとかならちょうどいいかも。



イメージ 3

探偵ジョン演じるはマーク・ストロング。
出演作品は見たことある作品は多いですけど印象に残ってるはなく。初主演ですか。
うーん、脇で生きそうなタイプ。悪役顔と思ってましたらキックアスで悪役の人か、納得(笑)
渋みもあるのでポスト、エド・ハリスになるかも。


イメージ 4

ヒロインのタイッサ・ファーミガは20歳ですか。この年の子らしくない色気というか雰囲気あり。末恐ろしい。


総評:★★★☆☆+
映像 (4) 構成力・展開 (4) 脚本(4) 役者 (4)
演出力 (4) キャラクター (4) オリジナリティ(4)
五段階評価です

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