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Channel: 映画を観る日々
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アメリカン・スナイパー 【クリント・イーストウッド監督】

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映画館で鑑賞。


公開発表から興味のあった作品。イーストウッド監督作品、戦争映画。いったいどんな作品なのか。
気になったのは毎回ですいませんが実話、伝記もの。ただ、イーストウッド監督作品は伝記ものでも見事な腕前で映画にされてるのでちょっと気になっただけですけど。


【あらすじ・解説】アメリカ軍で最も強い狙撃手と呼ばれた、クリス・カイルの自叙伝を実写化したドラマ。アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズ所属のスナイパーであった彼が、イラク戦争で数々の戦果を挙げながらも心に傷を負っていくさまを見つめる。メガホンを取るのは、『ミリオンダラー・ベイビー』などのクリント・イーストウッド。『世界にひとつのプレイブック』などのブラッドリー・クーパーが主演を務め、プロデューサーとしても名を連ねている。戦争とは何かを問うテーマに加え、壮絶な戦闘描写も見もの。[Yahoo 映画]


杞憂でした。


この映画には2つ凄い点が。
まず、何よりも恐ろしいのが。

いつどこで

襲われるか解らない

恐怖の緊張感の持続


映画という娯楽の面を満足させるクオリティを持ち。

イーストウッド監督の

戦争に対する思い

というテーマの部分もしっかり描かれてる点。


この両立はかなり難しく。どうしてもどっちかが目立ち満足出来ない部分もあったりしますが、この作品は見事にそれを。


まず、イラク戦争の緊張感。

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誰がどこから襲ってくるか解らないのが戦地の怖さですが。この今も続く戦地では女だろうが子供だろうがいつ襲われるか解らない怖さ。解っちゃいますがなかなか実感できないものがあります。子供は可愛いですから。

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しかし、子供が爆弾抱えて近づいてきて・・・この冒頭のシーン。ヤフー映画の監督インタビューからですが。原作には無かったシーンとのこと。やはり、「子供を撃ち殺す」これは映画でもなかなか踏み込めないところ。しかも、誤射とかではなく、子供が爆弾を抱えて仲間が死ぬか、子供を殺すか。葛藤です。この重い重い一撃。オープニングで生半可な映画ではない!と監督からガツンと叩き込まれました。

このシーンの効果か後半の戦地シーンではビルの上から、廃車となった車の陰から、いつ、どこで襲われるか解らない恐怖がずっと続きます。それは、人影が子供で安心できない状況の示唆されていたから。


この緊張感だけではなく。
まさかの後半は決闘シーン。
といっても西部劇のアレではないですが。スナイパーの読み合い。
撃たざるべき、撃つべきか。緊張のシーンです。

これ、相手のスナイパーは架空の人物らしく。
こういう味付けは上手いですね。史実からしたら違うんでしょうけど。映画としては二人の対決に釘付けになりました。



そして、テーマ。

この原作は下手すると、アメリカの英雄伝で終わってしまう部分があります。


伝説のスナイパー。
仲間を助けるため凄腕のスナイプで援護。
彼のお陰助かった兵士も多々。

そしてイケメン。家族思い。エンドクレジットに写真が写りますが。
まーかっこいい。
もう、実在の人物かと疑いたくなるほどの設定が盛りだくさん。
この部分だけ描いてもアクション戦争映画として充分な人でした。



しかし、そんな彼も。
戦地から帰るとPTSDに悩み。家族との距離を保てなくなります。

弟とは距離が開き。
戦地の仲間を思えば、家族と距離が出来。
戦地の喧騒が嘘のように、本国に変えれば換わらない日常。
9,11のときはついにアメリカも戦地に?なんて緊張感は今はなく。

あと、描かれてるのとは違いますけど。

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人って、誰かのためになる、と思うとそれに取り付かれることありますよね。男って特にその欲望が強いかも。
家族は母親が居れば・・・、けど戦地は俺が居ないと仲間が守れない。そんな思いもあったのかも。

その苦悩も後半は描かれています。

あとは。
主人公クリス以外の戦後。

先述したとおり、弟は戦地で心に傷を負い。仲間もいつのまにか一人二人と犠牲になり。
シールズは仲間を見捨てない、と訓練地で叩き込まれるのでコレが一番、辛いようです。それがクリスを戦地の取り付かせた原因でもあったりするんですけど。そして彼は退役後は退役軍人、PTSDを抱える元兵士の手助けをする。ほかにも退役病院にいくと、負傷兵。これはショッキングです。よく映画やドラマでも描かれることがありますが、重いテーマです。

戦地もしかり。そこで戦って生き残った兵士の苦悩も描き、それでも戦争しますか?
戦争を支持しますか?
という映画になってます。

戦地で戦う兵士は否定してません。国を思う部分もありますし、仕事がなくて兵士になった人もいます。
インタビューでも「そこでベストを尽くす」と語られてる通りに描かれてます。

けど、無くならない悲しみも。
最近はまた、世界が戦争の流れになりつつありますので、そんな今こそ見るべき映画だと思います。


映画に関して情報を出来るだけ遮断してたのですが。
新聞を読んでましたら偶然、目に入り。映画のラストを知ってしまい・・・

まさか、こんなラストになるとは。
先月、裁判の判決が出て犯人には有罪が下されました。

戦争PTSDには同情はありますが。戦地でもない、平和な町の事件です。有罪になってよかったと思います。
それも含めて重い作品でもあります。エンドクレジットの映像も重いです。


しかし、それだけではなく。最初に書いたとおり、娯楽映画としての対決の面白みもある。
まだまだ腕が冴えるイーストウッド監督に脱帽の作品でした。




総評:★★★★★
映像 (5) 構成力・展開 (5) 脚本(5) 役者 (5)
演出力 (5) キャラクター (5) オリジナリティ(5)
五段階評価です

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