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Channel: 映画を観る日々
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天の茶助 【SABU監督】

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映画館で鑑賞。


鑑賞動機の前に。
今日は14日ということで東宝系がサービスデイよりさらに安い日だったので映画館をはしごしてきました!
けど、何昨日、今日の暑さ・・・車で行ければクーラー効いて気にならないんだけども、見たい映画館が電車コースだったので炎天下の中徒歩で歩き回り汗だく。東宝系の映画は駅から距離あるんですよね・・・元から尋常じゃない汗かきなのでシャツが汗で変色。電車に乗ると、やっぱり、驚かれた顔をされるので余計に気になって汗だくという無限ループ・・・から少し脱却して開き直って今日は暑すぎ!と心落ち着かせて汗が引くことができました。私の汗かきは気持ちの面がやっぱり大きいもよう。

何を見たかはまた今度。


タイトルの映画の話に戻しまして。

鑑賞理由はただ一つ!
SABU監督だから!「弾丸ランナー」をレンタルビデオ(VHS時代)に見て大ファンに。けど、走る映画シリーズ以降は何か合わず。「うさぎドロップ」は良かったですけど、監督らしさ薄く。先日書いた、「蟹工船」もいまいちだったので監督のファンを続けるつもりですけど、熱烈から少し冷めるかの分岐点になるかな?という思いを抱いて劇場へ。

が、上映時間のチェックミスで時間が合わず。
雨も降ってるのでその週は諦めようかと思ってましたが。どうもこれを逃すと来週は上映終了らしく見られなくなる恐れ有り。
これは見るなという運命なのか?
いや、映画は運命に抗う作品だ!と抗って劇場へ。そんな大層な話じゃないんですけどね(笑)雨降ってるとどうしても外出が
億劫になるのでそうやって心奮い立たせただけです(^^;)ゞ



【あらすじ・解説】『蟹工船』、『Miss ZOMBIE』などのSABU監督が、処女小説を自ら映画化したラブストーリー。脚本家たちが地上で生活している人間の“人生のシナリオ”を執筆している天界で、お茶くみ担当が地上の女性に恋するも、死ぬ運命にあることを知って地上に降り立ち、彼女を救うために奮闘する。主演は、SABU監督とは『うさぎドロップ』でタッグを組んだ松山ケンイチ。テレビドラマ「あまちゃん」などの大野いとがヒロインを務めるほか、大杉漣と寺島進、伊勢谷友介など多彩な顔ぶれが共演。[Yahoo 映画]



前置きが長くなりましてすいやせん。


映画の感想は。


おかえりSABU監督!


です。
荒削り、バイオレンス、ベタなラブストーリー、さらにベタなパロディ。
そして走る映画!
私はこれだけで大満足です。


残念ながら大多数の方は満足できない映画みたいですけども。でしょうね~そこも解るんですよね。
ヤフー映画の星レビューが現在2.9点台。その気持ちも解ります。


早々に突っ込ませていただきますと。

茶助がユリのことを気にかけていただので助けに行くまではまー解ります。いや、ここも掘り下げ不足なんですけどね。なんで彼女なのか?声が出ないから?不幸な生い立ちがあるから?いや、それなら後に出てくる不幸な子のオンパレードを考えるとなぜ彼女なのか?が薄い。
さらに。
天界の脚本家たちが彼女を思うのはなぜなのか?
彼らからすれば大多数の一人のはず。なぜそこまで思われるのか?茶助と種村、ジョーの紹介に割きすぎてユリがなぜ好かれるのかがあまり掘り下げられてないのが、この映画の動機の部分なので最初から躓く形。
茶助の感情の部分はまあ、恋愛的行動なのでいいでんすよ、人を好きになる理由なんて、一目ぼれで十分ですし(笑)
ユリが可愛いのでそこはそれだけで。ただ、大多数に好かれる、恋愛的感情ではなく救いたい!と思わすのはなぜかが不十分なままに話がスタートして、その後、何も解明しないまま話は終わります。
もう一つ、別の視点で考えると、茶助が脚本家たちに好かれていて、彼の思い人だから助けたい!ならそれはそれでありなんですけど、そういう描写もなし。結局、脚本家の気まぐれで殺されそうになり、脚本家たちの気まぐれで助けられた話、にしたいんでしょうけど、それにしては脚本家たちや茶助が感情的な部分で動いてるように映し出されてるのでやっぱり釈然とせず。物語を作るって本当に難しいですよね。


そして、その後の展開もチャンプルーしていて追いつけず。
好き勝手やってます。
監督らしいちゃらしくていいでんすけどね。やりたいことを今やる!感があって。

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前半はそれこそ、「ベルリン天使の詩」とばかりに天使と人間の恋の始まり。いや、もっと恋愛シフトなのでリメイクの「シティ・オブ・エンジェル」が正しいですね。
ここに。

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沖縄の祭事をまず一混ぜ。この後も頻繁に登場します。
最初の祭のシーンはかなりくどいです。大事なシーンなのか?と思いましたがとくになく。
なんでここまで沖縄に思い入れがあるかは謎でしたが、ある記事を読むと4年在住されてるんですね。最初の祭のシーンは天界と人間界がチャンブルーするシーンなので重要っちゃ重要ですけど長いです。
あと原作のSABU監督の小説の挿絵には大友さんが担当とは。「アパートメントホラー」繋がりで交流から誕生したようです。この人の人脈はほんとうに凄い。キャストもほぼ人脈。オフィス北野とのコラボも人脈という縁が豊富な監督です。

さらに、ホームレス中学生から、ゴーストニューヨークの幻にタイタニックのパロディをはさみ。このあたりは主人公がモノローグで突っ込みいれてるので自覚症状あり(笑)

あとは白塗り顔の殺人鬼警官はブギーマンかな?

などなどやりたいことどんどん詰め込んでいきます。

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もう一つおまけに寺島の兄貴を使ってやくざ映画もチャンプルー。なんで寺島さんが出てるの?って言われたら。縁でしょうね(笑)
以前から監督作品の常連俳優さん。

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大杉さんもですし。お二人とも知名度アップ前からの縁があります。今回はそんな監督との縁で出演されてる方が多く。

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主演の松山ケンイチさんもそう。「ど根性ガエル」も好評ですがこっちも熱演!後半はパンチパーマまであてるなど体当たりの部分も(笑)新聞のインタビューでちょっとパンチが弱かったので今度やるときはもっとゴテゴテのパンチに!と語ってました。

松山さんでもう一つは。
特に、前半の事故シーン手前の疾走シーンはでーじかっこいい!
日本でアクション映画を撮るのにはどうしたらいいのだろう?から始めた「走る男」シリーズでこだわった男が走る映像はここでも輝いてました!さらに沖縄の路地裏を駆使したスピード感も抜群。ちと、エキストラがわざとらしいところがありましたけど、それ以上に興奮が勝ってました。
もう、ここが見れただけでSABU監督ファンおじさんの私は満足。星4評価の2か3はここです(笑)


ごちゃまぜの続きを書くと。

チャーリー・ポンの過去編ではグロリアネタ。これ監督だと2回目かな?
「ポストマンブルース」のときはまんまレオンのパクリ使うほどベッソン監督に便乗?オマージュを捧げてましたが。その横にもグロリア居ましたね。あのときはニキータだったのかな?もう1回使ってるのでトレンチコート、サングラス女は監督のお気に入りのようです(笑)

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そして、伊勢谷さん起用納得のボクシングシーン。
りきいしー!と思ったのは私だけ?実写の映画は見てないんですけども。


と、適度に突っ込みを入れつつ、アクションシーンといいたいことを叫ぶシーンに興奮するのを楽しむこそ、SABU監督作品でない?と思ってるので期待、いや、パワーアップしてる!と思うほど楽しみました。


けど、そうでない人からすると話がいろいろ手を出しすぎて何がなんだか解らない?といわれると反論できず。
たしかにやり過ぎで最終的には社会派な面も見せて収拾つかずに丸めて逃げちゃう始末なので。


あと、変わった面も少々。

ラストは予想外でした。

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SABU監督のたまーに見せるリアリズムで冷めたことする部分が出るかな?と思ってましたけど。意外に素直に締めてびっくりしました。



キャストは常連組ばかりなのでとくに驚きはなく。
けど、女性キャストは新鮮でした。

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大野さんは初認識。

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ただ、インパクトは茶子を演じた玉城さんに持っていかれちゃいました。土屋アンナさんのポストが埋まりましたね。この作品の掘り出しものの一人です。


久々に堤さんとのコンビも見たい。今だとどんな感じに撮るのかめっちゃ見たいです。昔はひたすら走りまわされてましたけども(笑)



最初にも書きましたが。
ヤフー映画で星評価が低調なのも納得の作品。
けど、走る男、監督のやりたいことやる、監督の言いたいことを言う!がSABU監督らしさなので多少、いびつでもそれがいいかな~と思って楽しみました。なので高めです。運命に抗う!ってのも私の好みなので。ただ、その運命とくに強制力ないのでこの部分に関してはあらすじにも載ってるのに話的には薄いですが。お勧めは出来ないので上のパロディやらを突っ込みつつ、ベタな恋愛ものを見たい人はどーぞ。




総評:★★★★☆-
映像 (4) 構成力・展開 (3) 脚本(3) 役者 (4)
演出力 (5) キャラクター (4) オリジナリティ(5)
五段階評価です

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