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ジャンゴ 繋がれざる者 【クエンティン・タランティーノ監督】

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映画館で鑑賞。

タランティーノ監督好きなので興味がありましたが、西部劇なのと予告の映像を見る限り映像と演出が古臭そうなので映画の雰囲気が合わなさそうだったのでDVD待ちしようと思ってました。そこに奇跡的に休日に花粉症の症状が出ない日があったので劇場へ。こうなったらタランティーノワールドを堪能しようと鑑賞しました。

【あらすじ・解説】『イングロリアス・バスターズ』などの異才クエンティン・タランティーノ監督が、前作からおよそ3年ぶりに放つ骨太のアクション大作。19世紀中期のアメリカ南部を舞台に、かつて奴隷だった男の妻奪回のし烈な闘いを描き出す。レオナルド・ディカプリオが本作で初めてとなる悪役に挑むほか、ジェイミー・フォックスやクリストフ・ヴァルツら個性と実力を兼ね備えた俳優たちが豪華共演。緊迫感あふれる人間模様と、驚きのストーリー展開に言葉をなくす。[Yahoo 映画]

オープニングのクレジットが古臭く、これはタランティーノの回顧主義の塊かと愕然しましたが、最後まで見るとイメージが一変!(笑)クレジットには味に見え、60年代?70年代?の音楽もかっこよく聞こえる、物語も残念な結末からまさかの展開で痛快に締める、あぁ~さすがタランティーノワールドと、最後まで楽しめました。

内容はR15指定が入ってますので銃アクションは血しぶきが飛んだりして苦手な人にはオススメできません。
ただ、、いつものタランティーノ作品と比べると暴力描写の痛々しさは少なく銃アクションと一部のシーンのみでした。銃もテレビゲーム的なアクションになっていて今回はこういった病力描写とは違うものに主軸を置かれていてアクションシーンは勢いまかせになっていてテンポのいい作品になってます。

して、この映画の中身は。
西部劇の面を被った南北戦争前の奴隷制度を描いた映画。
鑑賞前は情報収集せず記事にするときに集めるのですがwikiの監督のことばで西部劇よりこちらに比重が置かれてたそうです。まさかジェイミー・フォックスが「ニガー」なんてサラっと言うとは思いませんでした。アメリカではこの辺は賛否両論だったようで、使うべき言葉ではないですが当時の状況を再現する言葉として受け入れられてもいたようです。監督もいたずらに使ったわけではなくそういう時代、そういった空気の再現に使われてた感じでした。

なぜそう感じたからと言いますと。奴隷制度を描きつつ、白人をボコボコにする映画ですから。
奴隷制度を扱う場合、白人が強く、黒人は弱者で描かれることが多いのですが数奇な縁で賞金稼ぎのおかげで自由人となったジャンゴが暴れまくる映画です。強者や奴隷主には一泡吹かせたりヘタすると銃で一発でドスンなんてシーンがてんこ盛り。K●Kみたいな白布集団のシーンはおちょくってるような演出で最高でした。監督の憎いところはコメディのノリなのに1カットで突然綺麗なシーンを放り込んできたりして緩急の付け方の上手さにやられちゃいます。今回もコメディのノリなのに狙撃するシーンがあるんですが馬のスローモーションが美しく印象強くしたりしてます。

ただ、最終的な対比が自由人なジャンゴとサムエル・L・ジャクソン演じるスティーブンという存在になったので自由と従属を描いてもいましたので単純な構図ではないですね。ただ、スティーブンも最終的には雇い主寄りの言動ですので従属という単純なキャラクターではないですね。

展開は痛快。ただ中身は色々考えさせてくれる映画でした。


キャストに関しては。

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ディカプリオは悪役を頑張ってた感じですね。

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途中まで良かったんですけどL・ジャクソンが出てきてから完全に食われてました。もう存在感ありすぎて(笑)

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そしてこの映画最大のキャストはクリストフ・ヴァルツ。
謎のドイツ人賞金稼ぎです。少し怪しげな笑顔で近づいてきたと思いきや眼光鋭く変わって銃でドスンを決めるなど表情だけでなく全体の雰囲気が変わってました。悪役が多いですけどこういう役合いますね。役柄は奴隷制度を嫌悪していてジャンゴを開放し、賞金首に育てあげる師匠役でもあります。乗りかかった船とジャンゴを助け、奥さん救出に人肌脱ぐわけですが、ラストまで飄々としていていい存在感でした。


あと、余談を2つ。

この映画、ビール好きのかたは鑑賞注意かも。
前半のシーンで酒場でビールを飲むシーンがあるんですけど、あれがホントに美味しそうで(笑)
車で映画を見に行く方はお気をつけて。

あと、タランティーノが出演してます。
出た瞬間に解るんですけど・・・太りましたよね~(笑)
レザボアのころのシュっとしたかっこよさはもうなく、今回の役はお笑い担当キャラで登場、即退場してました。個人的には爆笑物でした(笑)


上に書いたとおりに西部劇の面を被った奴隷制度を描いた映画です。
中身はアクションあり、笑いのシーンもありと重い映画とは違いますが見る人によっては不快に思うかたもいるかもしれません。アメリカではやはり問題になったよです。
ただ、監督がこの問題と向き合ったことと、変にオブラートに包まず監督らしい映画だったので個人的には楽しめました。


総評:★★★★★
映像 (4) 構成力・展開 (5) 脚本(5) 役者 (5)
演出力 (5) キャラクター (5) オリジナリティ(4)
五段階評価です

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