少年ジャンプ　ＮＥＸＴ　２０１５ｖｏｌ．６　レビュー　

去年のＮＥＸＴ最終号のレビューです。

表紙は連載残り２回の「黒子のバスケ」
発売が年末前だったのでクリスマス仕様。
青峰の原型ないような・・・

そんな黒子のバスケは・・・ゴールドが魔眼の持ち主ということで、赤のエンペラーアイよりも範囲の広い、敵味方全員を見ることができる！ということで赤がアンクルブレイクされる展開に。
ナッシュサイドが不利なので紫とシルバーの対決になるも・・・なんと紫が才能に任せていたプレイから一転して技術で相手を圧倒し、活路を見出すもシルバーの卑劣な手によって・・・
奇跡の面でも万事休す、そのとき、怒れる黒子が立ち上がる。
そう、主人公は彼！次でどう、収めるのかな。

続きまして、本誌連載経験者の読切が２本。

まずは、

「伊達せんぱい！」の近藤先生の新作。
伊達先輩からは絵が格段によくなってますけど、「ジュウドウズ」からの大きな変化なし。
ギャグマンガ路線は完全に封印して、忍者系選挙活動漫画で勝負してきてます。

内容は。投票箱を忍者同士で争って雇い主が選挙に活用に暗躍する忍者の話。
投票日に投票箱をめぐって争うわけですが。民主主義が崩壊してますやん（笑）
まあ、しょっちゅう起きてるわけではなく。地方選挙ながら、その土地に石油の油田があるのでエネルギー会社がしのぎを削ってるという設定があり。もちろん、世間にはまだこの油田に関しては情報開示はされておらず。

まあ、面白いんです。絵も読みやすくなってきてますし。
キャラ絵もらしさは残っていて。女キャラに一定の人気あり。
問題は顔のパターンが圧倒的に少ない点。ギャグキャラは相変わらずなのはまあ、個性でいいんですけど。可愛い女の子も別の漫画で見たことあるどころじゃなく、作者の書き分けが続くとキツそう。男キャラのイケメンキャラも３タイプくらいしかないので髪型で誤魔化すしかなく。

あと、少年漫画として少年がワクワクしそうな点の不足。
常に５円玉を指からぶら下げてる・・・１個くらいのがいいかな。常に５本は見た目がかっこよよろしくなく。緊急用に１本。相手の力に対して１本づつ増やしていくとかのが漫画的にも良さ気なような。一応２アウトなので次の連載は重要なので出来うる限りにつめて連載にしてほしいです。応援してるので機微締めに書いてますけど、この読切も好きですよ。

トーキョーワンダーボーイズの漫画担当だった伊達先生の新作。
大不評だった前作のサッカー漫画から変ってラブコメというかラブストーリーもの。

主人公は将来カメラマンを夢見る高校１年生。しかし、実家の魚屋を継がせようとする両親の反対で、今年中に写真展に入賞せねばならず、理想の被写体を求め今日もシャッターを切るのだが・・・
雨の日に偶然出合った少女こそ、理想の被写体と、行内の美女をめぐるのだが。

定番中の定番の話でいったいなんの１００％という展開ですけど、女の子の絵が可愛いからある程度票は集まるのかな。

問題はカメラマン主人公でしょうね。
今まで何人のカメラマン主人公が消えていったことやら。パンチラカメラマンになっちゃったりしてましたし。いちご１００％だと映画監督。あとは美術もあったか。やっぱりカメラマンは厳しいですし、この話を基にラブコメ路線も厳しそう。
前作は原作が残念この上なかっただけなのでもう１回原作者付きで頑張ったほうがいいかも。

ここからは新人せんせいの読切のレビューです。

今回はカット絵の番号の順があっちこっちいったりしてます。

ど新人じゃないと確信できる出来。
絵の安定感と話の出来具合がさすが新人のトップバッター掲載位置を飾っただけの出来です。
どっかで見たことあると思ってましたら、ネクスト２０１２年春号で「恋愛銀河区石川荘」を描かれてたセンセイだったんですね。これは人気投票１位を獲得。納得の出来具合から３年。長い！ジャンプの秘密兵器と担当編集から紹介で書かれてました。

武術一家で浮世とは違う環境で育ってきた主人公とヒロイン。
互いの家を継ぐためというよりかは、相手に負けたくないという武術家の血がそうさせるのか。男だろうが女だろうが関係なし。相手より強くなりたいと思い日々成長してきたのですが。
ヒロインの突然の家督相続宣言。そして、私より強い相手じゃないと結婚しない、という宣言。
主人公は彼女が好きだから勝ちたいのに、相手が好きだから倒せない。両思いのラブコメ格闘ものです。
ヒロインの家が資産家のこともあり、彼女を倒して、婿ポジション争うもあり。連載も出来そうな出来ですが。

重箱の隅をつっつくようなので申し訳ないのですが。
連載に当たっては主人公のキャラにもう一つに何か付け加えないと厳しそう。今のままでもある程度いいのですが。冷めちゃってて達観していて転がりが悪そう。少年漫画が全部熱血馬鹿であれ、とは言いませんが、これだとちと盛り上がりに欠けちゃいそう。逆にヒロインは突き放す割りには嫉妬盛りだくさんでいいので、ぜひこのままで。そろそろ、本誌でも読みたいセンセイです。

発明家を育てる学園で日々成長してる生徒たち。
その中でも天才の名をほしいままにするマコトと、対して彼女に連敗中の学園でも有名な落ちこぼれタイプのハチ。
主人公ハチは戦争を終結させる世紀の発明、平和マシンを夢みて研究に没頭するのだが。
なぜか今日も懲りずにマコトに発明勝負をしかけるのだった・・・

ハリーポッターよりのナルト。
マコトが最初は女の子に見えないのが痛いかな。もうちょいボディライン、顔のラインを女の子に寄せないと。渚君タイプの人気を呼ぶのが狙いならもう、女の子は諦めて男の子で描いたほうが。不健全ですけどね（笑）

二人の関係は嫌いじゃないですよ。
絵も背景とかはそこそこの出来なんですけど。うーん、やっぱナルトの影響がまだ大きいかな。あと一歩自分の絵が出来上がるのお待ちしております。

ネクスト掲載経験者さんですけど、私のブログでヒットせず。
うーん・・・どんな作品だったんでしょう。

絵の安定感あり。
幽霊ものの定番を押さえていてちゃんとトリックもあり面白い。

足の怪我で入院した主人公。
友人たちの面会も途切れることもなく、入院生活に辟易しながらも平和な過ごしていたのだが。
この病院の看護士の一人に怪しい男がいて。そして、夜ふと目覚めると３階なのに、人が窓の外に・・・

病院×心霊ものという王道のコンビネーションもの。
死後の看護という成仏師みたいなお仕事の男の話。最近はこの手の漫画が少ないので狙い目ですけど。
死後看護士がそんなに怪しくないのが残念。火傷をしてる、とかつけちゃったほうが良かったかも。

２０１４年に現役高校生でデビューを飾った天塚せんせいの新作。

人の寿命を奪い活動する魔兵。
この脅威と戦うため、人類は魔兵から寿命を吸収し、魔兵を操る部隊を創設し・・・

うーん、前作のが良かったかな。
けど、ヒーローものが「僕のヒーローアカデミア」で押さえられちゃったので別に進路変更で、ダークファンタジーに。
腕に寿命の時間が出てくるところは映画「タイム」からかな、ってのが気づいた点。絵は前作のが個性あった、というか全体的に薄くなった印象。
今回のあらすしの流れ的に連載を意識した話ですけど、厳しそう。
ああ、どっかで読んだ感覚あると思ったら進撃の雰囲気か。全体の世界がどうなった、が描かれてないのでまだまだかな。

作者コメント欄ではタイトルの“ＧＡＧＡ”は珍妙な、とのこと。
調べると、夢中になって、ぼけた、恍惚の、だそうです。

東京で起きた連続殺人事件。
警察は手に負えなくなり外部に捜査協力を依頼したのだが、そこに現れたのは奇怪な奇面を３体携わって現れた男だった。

ちょいギャグを織り交ぜて真面目な話をするタイプ。
真面目なシーンでもヨガポーズを決める主人公なんですけど、これが滑っちゃってるのが残念。
メリハリが大事ですよね。真面目なシーンは真面目に、それ以外のときにおちゃらけるがやっぱり一番。

２０１５年の２号でも掲載ありの寺坂センセイ。
「そばのせんす」で落語漫画を描いたセンセイの新作はなんとラグビー！タイムリーなネタですが。

リンゴ農園を営む家で育った林檎。まんまの名前ですね。顔のほほがリンゴのようなのも。
いつも一歩を踏み出せず、幼少期も友人たちは次の町へと冒険心に駆られて進んでいく中、彼はつい立ち止まりそこから先には進めず。高校生になっても変ることが無く、将来の夢は実家のりんご園を継ぐことだった。
そんな彼が突如であったのは教員室の前で何杯ものバケツを抱えて仁王立ちしてる男だった。

アイシールド×はじめの一歩、ってところでしょうか。
足腰丈夫だと色々なスポーツで有利なんですね。上背の無い、スポーツ万能でもない彼が輝く場所、それはぶつかり屋。

スポーツものの定番を押さえた作りですけど、それ以上のものが無いのが残念。これなら、前のが良かったかな。
キャラがこじんまりしてないのは好きなんですけどね。普通の子も描けるといいかな。

ただっぴろい荒野の中家屋が一軒。その先には天を貫かんとする塔があるのみ。
そんな人里はなれた家に女を抱えた包帯巻の男が現れ。
空腹の二人にご飯を用意したあとには機械人間が現れ・・・

どんな環境で生きられる機械の体で生きる人類。しかし、その機械を動かすエネルギーは妖魔の力によってだった。

うーん、“人”の活躍も描けたら面白くなるかな。
機械兵ももう少しデザインが人間に酔ってたりしたら・・・とかまだ広げれそう。

空想上といわれていた魔界が。その存在が公のもと公表され１０年。
人類の新しい旅先として魔界がブームになり。

魔界ものの定番。
冴えない男が実は魔王、もしくは魔界の実力者という話。

可愛いぼんきゅーが食べられちゃうのが以外でした（笑）

ヒロインの顔が一昔前の画風なのが今後は厳しいかな。二昔前かな。とりあえず今風でないのが。

かつて偉大な王のもと銀河は一つだった。
しかし、時は流れトライヴという種族のチームによって分かれた弱肉強食の時代にかわっていた。

そんな中、彼の通ったあとには灰しか残らないといわれ恐れられてもいたが弱い種族たちを解放する一人の救世主とも言える人物が誕生し。ギンガエイジが現れ。

流れ的に、ああ、こいつがそうだな、という読みやすい読切。
絵は・・・同人誌で活動していた匂いがするんですけど。胸のラインとか描き慣れてる感が凄いですね。

ただ、ジャンプだと影が多すぎた好かれない絵なので少しだけ変えたほうがいいと思います。

金融資産を食い荒らす怪獣が現れた世界。
そんな怪獣に対抗すべく民間企業が開発したスーツ。バンカードの適合者は只一人。
両親もおらず、大事な妹を育てるべく、常にバイトを掛け持ちして働く兼無欽太郎だった。

ノリは嫌いじゃないです（笑）
けど、Ｖジャンかな～
兵器を使うにもお金が必要・・・これ、リアルだと笑わない切実な話。
防空のため戦闘機を飛ばすのもガソリン代とか馬鹿になりませんし。そういう意味で馬鹿馬鹿しい演出ながらお金をちゃんと描いてるのでは？て面は面白いかな。

転校先のクラスにはサラマンダーの留学生がいましたとさ。

以上、レビューです。
今回の1位は「ブリキライオン」かな。圧倒的過ぎて、イラスト絵で贔屓にしてます。
あとは絵は上手いので修正できれば化けそうな、「エイリアンズエイジ」

近藤先生は新作に期待してますが、もう少し煮詰めてかっこいいのを期待してます。
この先生ならやれば出来そう。もうギャグマンガとは距離を置いて。けど、あのノリも好きなので学園バトルものに期待！
変に職業ものを描くとジャンプじゃ受けないので。伊達せんぱいの馬鹿馬鹿しさをしつつシリアスバトルものをぜひ。

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