映画館で鑑賞。
製作が決まり、上映が決まってから期待と不安の両方がありました。
題材や手法がいつもと違うこと。不安の要素だらけでどんな作品になっているのだろうと。ただ、4分の予告を見たときに松任谷さんの主題歌とともに関東大震災から戦後にかけての話と再認識し、宮崎監督の描く震災と戦争はいかような映画になるのかと期待して劇場へ。
題材や手法がいつもと違うこと。不安の要素だらけでどんな作品になっているのだろうと。ただ、4分の予告を見たときに松任谷さんの主題歌とともに関東大震災から戦後にかけての話と再認識し、宮崎監督の描く震災と戦争はいかような映画になるのかと期待して劇場へ。
【あらすじ・解説】宮崎駿監督がゼロ戦の設計者・堀越二郎と作家の堀辰雄をモデルに、1930年代の日本で飛行機作りに情熱を傾けた青年の姿を描くアニメ。美しい飛行機を製作したいという夢を抱く青年が成し遂げたゼロ戦の誕生、そして青年と少女との出会いと別れをつづる。主人公の声には『エヴァンゲリオン』シリーズなどの庵野秀明監督を抜てき。ほかに、瀧本美織や西島秀俊、野村萬斎などが声優として参加する。希代の飛行機を作った青年の生きざまと共に、大正から昭和の社会の様子や日本の原風景にも注目。[Yahoo 映画]
話が長くなるので映画の印象を簡単に。
まず、手元から離れた紙飛行機がゆっくりと低く飛び、一瞬、上昇流の風にのってブワっと上空を飛び、太陽の光の中に消える。
そんな映画です。
そんな映画です。
あとは、これは映画ではなくテレビシリーズとして見たかった作品。
各エピソードが全部消化されていないため、劇場3部作とかでも尺は厳しく、それなら2時間という枠ではなくもっと長い尺で映像化して欲しかったんですけど、監督の年齢やジブリの制作費を考えるとテレビシリーズは厳しいのかな。朝ドラの尺でも充分足りるような内容なのでいつかそちらで。
各エピソードが全部消化されていないため、劇場3部作とかでも尺は厳しく、それなら2時間という枠ではなくもっと長い尺で映像化して欲しかったんですけど、監督の年齢やジブリの制作費を考えるとテレビシリーズは厳しいのかな。朝ドラの尺でも充分足りるような内容なのでいつかそちらで。
ここから話が長くなるのとネタバレありますので悪しからず。
ならばあのシーンはカットしていけばと思うのですが・・・
もしかすると監督の思い入れが過去の作品とは違うためか。庵野さんがテレビ番組で監督の原液が珍しくまんま映し出されてるというほどだったので。作品と、監督の距離感がいつもと違い2時間という劇場映画にする切捨てが出来なかったのでは、なんて考えてしまいました。留学のシーンや本庄との友情のシーンもカットできそうですし。ただ主眼の飛行機制作の話にはこの2つのエピソードも必要ですし。やっぱり2時間映画用の話ではなかったのかもしれません。
もしかすると監督の思い入れが過去の作品とは違うためか。庵野さんがテレビ番組で監督の原液が珍しくまんま映し出されてるというほどだったので。作品と、監督の距離感がいつもと違い2時間という劇場映画にする切捨てが出来なかったのでは、なんて考えてしまいました。留学のシーンや本庄との友情のシーンもカットできそうですし。ただ主眼の飛行機制作の話にはこの2つのエピソードも必要ですし。やっぱり2時間映画用の話ではなかったのかもしれません。
期待していた、宮崎監督が激動の時代をどう描くか、でしたが。起伏をあまり作られなかった。
震災というエピソードも次郎と菜穂子の出会うシーンが中心。主人公の次郎が飄々とした人間でしたので震災に対して何かを思うことを描くより、そこからどう復興したかが簡単に描かれてました。関東大震災と比べると原発という難題が絡まない分過去との対比が難しいですし。
そして戦中描写はほとんどなく。これは監督の戦争に対するアレルギーでしょうか。「ハウルの動く城」でもほとんどカットしてセリフの描写のみでしたので。これは監督の反戦意識が強すぎるゆえでしょうか。ただ漫画「ナウシカ」とかですと戦争シーンも描くことは出来そうなんですが・・・
もう一つは「死」
ジブリアニメで高畑監督は「死」を描くことが多いのですが宮崎監督作品は「死」が描かれることはほぼありません。ナウシカの父様以来ないはず。菜穂子がどんな最後を迎えるのか。彼女の死を願うわけではなくどんな最後を描くのかと思ってましたら直接的な描写ではなく感覚的な別れで最後を描いてました。
監督は子供が見ることを意識されたのかな、なんて邪推。たしかに子供のころに見た「火垂るの墓」はショックでしたから。けど、ショックなだけでなく戦争がいかに辛い日常の連続なのかを身に染みて解った“気”がしましたし。次郎のセリフで
最後にゼロ戦が一機も帰ってきませんでした、は確かにショックでしたがセリフ以外でも監督が描く戦中をもっと見せて欲しかったのです。
震災というエピソードも次郎と菜穂子の出会うシーンが中心。主人公の次郎が飄々とした人間でしたので震災に対して何かを思うことを描くより、そこからどう復興したかが簡単に描かれてました。関東大震災と比べると原発という難題が絡まない分過去との対比が難しいですし。
そして戦中描写はほとんどなく。これは監督の戦争に対するアレルギーでしょうか。「ハウルの動く城」でもほとんどカットしてセリフの描写のみでしたので。これは監督の反戦意識が強すぎるゆえでしょうか。ただ漫画「ナウシカ」とかですと戦争シーンも描くことは出来そうなんですが・・・
もう一つは「死」
ジブリアニメで高畑監督は「死」を描くことが多いのですが宮崎監督作品は「死」が描かれることはほぼありません。ナウシカの父様以来ないはず。菜穂子がどんな最後を迎えるのか。彼女の死を願うわけではなくどんな最後を描くのかと思ってましたら直接的な描写ではなく感覚的な別れで最後を描いてました。
監督は子供が見ることを意識されたのかな、なんて邪推。たしかに子供のころに見た「火垂るの墓」はショックでしたから。けど、ショックなだけでなく戦争がいかに辛い日常の連続なのかを身に染みて解った“気”がしましたし。次郎のセリフで
最後にゼロ戦が一機も帰ってきませんでした、は確かにショックでしたがセリフ以外でも監督が描く戦中をもっと見せて欲しかったのです。
ただこれは、私が勝手に期待していたことで。
映画の本筋は夢を追いかけること、そして監督の初挑戦、恋愛。
美しい飛行機を作ることが夢だったのに、戦闘機を作らされた次郎の葛藤と夢へ諦めない強い心がしっかりと描かれてます。四六時中飛行機の設計に頭悩ませてる姿は監督とダブりました。実際の姿は見たこと無いですけど「もののけ姫ができるまで」とかを見ますとあんな感じでした。
あと恋愛面ですが。監督は本当に苦手のようで、もう意識してやらないほうがいいのでは・・・
綺麗ごとの恋愛話の物語は好きですけど、お花畑のような二人だったので。いくら婚約中でも中庭から入ってきたり、会いたいから病院から無断で抜け出したりなど。後者は菜穂子の最後の願いというわけなので最終的には否定してるわけではありませんが。恋愛すると周りが見えなくなるってことなのかな。
映画の本筋は夢を追いかけること、そして監督の初挑戦、恋愛。
美しい飛行機を作ることが夢だったのに、戦闘機を作らされた次郎の葛藤と夢へ諦めない強い心がしっかりと描かれてます。四六時中飛行機の設計に頭悩ませてる姿は監督とダブりました。実際の姿は見たこと無いですけど「もののけ姫ができるまで」とかを見ますとあんな感じでした。
あと恋愛面ですが。監督は本当に苦手のようで、もう意識してやらないほうがいいのでは・・・
綺麗ごとの恋愛話の物語は好きですけど、お花畑のような二人だったので。いくら婚約中でも中庭から入ってきたり、会いたいから病院から無断で抜け出したりなど。後者は菜穂子の最後の願いというわけなので最終的には否定してるわけではありませんが。恋愛すると周りが見えなくなるってことなのかな。
声優に関しては菜穂子を演じた瀧本さんがはまり役。保険のCMの声の人ですよね。当時の喋り方がすらすら聞こえてよかったです。
賛否両論中の庵野監督の声ですけど周りに無頓着な次郎に合ってたと思います。確かに上手い声優さんと比べれば棒読みな感じはありましたけど。感情があまり表に出ない方のようなのでこれでよかったのかもしれません。
賛否両論中の庵野監督の声ですけど周りに無頓着な次郎に合ってたと思います。確かに上手い声優さんと比べれば棒読みな感じはありましたけど。感情があまり表に出ない方のようなのでこれでよかったのかもしれません。
ただ音を人でやったのは失敗でしたね。震災のときは無機質な音より迫り来るなにかを感じれましたけど、飛行機の音に使ったのは人の呼吸みたいな雰囲気を感じてしまい・・・監督が飛行機に人を感じさせるのは成功しましたけど、やっぱり飛行機は飛行機で人ではなく機械なので機械音で描いて欲しかった。
あとエキストラの音も極力カットしていて震災の群集の声などなし。今回は音で挑戦しすぎて不協和音を生み出してました。
あとエキストラの音も極力カットしていて震災の群集の声などなし。今回は音で挑戦しすぎて不協和音を生み出してました。
色々と書きましたが率直な意見として。
もっと見たかった。
これに尽きます。
もっと見たかった。
これに尽きます。
総評:★★★☆☆+
映像 (4) 構成力・展開 (4) 脚本(3) 役者 (4)
演出力 (3) キャラクター (3) オリジナリティ(3)
五段階評価です
映像 (4) 構成力・展開 (4) 脚本(3) 役者 (4)
演出力 (3) キャラクター (3) オリジナリティ(3)
五段階評価です