ハングリー・ラビット　【ロジャー・ドナルドソン監督】

ＤＶＤで鑑賞。

ニコラス・ケイジ主演ということでチェックしてましたけどタイトルから「兎？」といまいち怖いイメージがつかず借りる気があまり無かったのですがまとめ借りで残り１本何を借りようか迷っていたので借りてきました。
ニコラス作品にしては予告とか目にする機会がなく知識ゼロで鑑賞。

あなたは奥さんが、子供が、夫が家族や親しい人が犯罪の被害者になったときどちらを選びますか？
１つは自販機でチョコレートを２つ買えば犯人の復讐が出来る願いは叶います。いやそんな謎の勧誘や駆け引きは断り警察に任せますか、司法に委ねますか？ただ、捕まっても４，５年で釈放されたりします・・・

私は幸いにもこういった状況になることは今のところないですが、もし同じ状況になったら主人公と同じ行動をとってしまいそうです。

これは社会システムの永遠の問題なんでしょうか。
日本だと「仕事人」シリーズがこれと同じような題材ですね。
法だけでは裁けない犯罪者に正義の鉄槌を、という概念のもと動く謎の集団ですがそこは人のシステム。
いつの間にか正義のための行動のはずが保身のための行動になり、集団心理で裏切りの報復を恐れ加担し、組織の恐怖も加わりいつの間にか正義の復讐のはずが無実の人間を犯罪に陥れられる話に。
その犯罪者に陥れられるのがこの映画でニコラス君が演じる高校教師。
一般人である高校教師が警察も持て余し、主犯格も不明の犯罪集団に追い込まれるわけですからなかなか怖い話。
ただ、命が狙われる話より、犯罪者に陥れられてってところで止まってる話なので命のやり取りの緊迫感ではないのでちょっと物足りない。楽しむポイントとしては誰を信じられるかどうか。この集団は街中に根深く蝕んでたりしますので以外な人が、なんて展開もあります。
あとはニコラス主演作品なのでこの人が演じると最後まで生き残れるかどうかも気になるところ。主人公なのにデッドエンドな作品が多いので。この人はアクション映画よりもサスペンス系で活きる人になってきました。そう考えるとこのキャストは上手かったです。

キャストで残念なのはガイ・スピアーズ。
坊主頭で登場、謎の男を演じてますが・・・昔と比べると目元の鋭さが無くなってて迫力がちょっと物足りなかったです。

余談ですが、高校教師の彼が学校での生徒の喧嘩の仲裁で手を上げたら休職くらってました。
アメリカも体罰はあるらしく、代りに即罰則が出るみたいですね。ただ生徒も銃を持ってる場合などありますし、学校に金属探知機とかあるのも恐ろしい話。日本人からするとこっちのほうが興味深く怖い話になりそうです。

復讐請負人の狙いが面白く、手堅い話でしたがいま一つパンチ力不足。
オススメ度はボチボチです。

総評：★★★☆☆+
映像 （3）　構成力・展開 （4）　脚本（3） 役者 （3）
演出力 （3）　キャラクター （3）　オリジナリティ（3）
五段階評価です

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