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Channel: 映画を観る日々
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アップサイドダウン 重力の恋人 【フアン・ソラナス監督】

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DVDで鑑賞。


今月は見たい劇場公開の映画がなくて久々に2週間も映画館に行ってません。興味があるのは何作かあるんですけど、映画館でなくてもいいか、とスルー気味。DVDも映画よりも海外テレビドラマを借り続けてまして。やっとこさ「メンタリスト」の4シーズンを見終えたので、今度は「スーツ」の2シーズン、あと「クリミナルマインド」の新シーズンも、「BONES」も「CHUCK」も出てたな。
そんな、海外テレビドラマ漬けのレンタル状況で見た数少ない映画。
これも劇場で見ようか迷ってて結局レンタル待ちに流した1本でした。ポスターがいい感じだったのでなぜか避けました(笑)ポスターがピークと勝手に推測してました。


【あらすじ・解説】『スール/その先は…愛』などで知られるアルゼンチンの巨匠、フェルナンド・E・ソラナスを父に持つフアン・ソラナスによるSFロマンス。二つの惑星が重力で上下に引き合う世界を舞台に、上下別々の星で暮らしていた男女の運命的な恋の行方を映し出す。主演を務めるのは、『ラスベガスをぶっつぶせ』などのジム・スタージェスと『メランコリア』などのキルステン・ダンスト。自然や都市が上下に広がる世界の不思議なビジュアルはもちろん、ロマンチックな物語も魅力的。[Yahoo 映画]


ほうほう、そんな巨匠の息子が、とまったく知識のないまま鑑賞。
まず、最初のシーンででた感想は。

「サカサマのパテマ」と同じ設定じゃん!

私の見た順番はパテマが先でしたが公開順はこちらの映画はカナダで2012年に公開されてたので先でした。
よく、ここまで設定が被ったなと驚きでしたが、原作のようなものはないみたいですね。似たような話はほかにもあるのか、反重力の世界の人々の交流を描いた本があるかは定かで無いですが。

パテマは同じ位置に立っても重力が相反することで共有が生まれないという現在社会の交流の不思議を描いたもの、というのをどなたかの記事を読んで知りました。同じテーブルを囲っていても話に夢中な人の前でスマホやパソコンをいじり別の空間に気が行ってしまってるなど。なるほど確かに、同じ空間に居るのに違う世界を見ている、そんな今をテーマにした作品でした。

今回のアップサイドダウンは、テーマ的には「格差社会」でした。ただあってないようなテーマですけど(笑)
主人公の上に位置する世界が支配する裕福層で、主人公のいる場所は搾取される支配される側のような位置。
この二つの世界は目の前にあるのにも関わらず交流が禁止されている話。渡航が管理されてるので下から上の世界に行くにもチェックされ、上から下の世界に行くにもチェックされる世界。そんな世界のはずが主人公は偶然、手を伸ばせば行き来できる場所を見つけ、そして最愛の人を見つけ。
ってところから話が始まります。

反重力の世界が舞台のSF映画の皮を被ってますが。

蓋を開けてみたら甘ーーーーーーーいロミオとジュリエット的なおとぎ話。
冒頭でいきなり引き裂かれる二人。どうなる?!
と思いきや、それほどシリアスな展開はなく、とんとん拍子に潜り込みに成功。彼女に思いは伝わるのか?とハラハラが少しあり。それよりも、反対運動していた人が処刑にあうなど上の世界の支配体制が強化されてるけど主人公の行動は大丈夫?と不安もよぎるも、そこまでシリアスな世界観はなくサラっと進みます。

この辺りがこの映画を楽しめるか、不満の思うかの分岐点。
ビジュアルがしっかりしてるので本格SFの匂いをかもし出してますがちょいちょいつっこみどころがあって、反重力の世界に疑問も思うところが出てきます。ただ、それを気にしたり、以外にゆるい社会状況、これは監視体制が整ってるので特に運動家でない主人公の監視が甘くなってても仕方ないのかもしれないですけど。平和になるとどうしても隙が出来ますしね。など、アレ?アレ?と思うところも、まっすぐで甘いラブストーリーに、ま、いいかと流せてしまえば楽しめる、はず(笑)


あと、キーポイントのもう一つがヒロインの存在。

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男受けしないんですよねキルステン・ダンストが今作のヒロイン。彼女のブルーの瞳は綺麗なんですけど、なんか怖い(笑)あと全体的に顔がいかつく見えたり・・・けどですね。この方は表情美人。黙ってると怖いんですけど役によってはその表情によって違う面が。今回は主人公が恋焦がれるヒロインを見事に。主人公とラブラブな展開がばかりなので終始笑顔のシーンで魅力的でした。照明も全体的に暖かい色だったのでそれの影響もあったのかもしれないです。カンヌで賞も取りましたし、そろそろアカデミーもと思いますがドラマ系の出演少ないんですよね。出演すれば取りそうなんですけど。

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主人公役はジム・スタージェス。知ってるのは「クラウドアトラス」の作曲家役くらい。
細腕ながらヒロインに会うため奮闘する青年ははまり役でした。もうそろそろいい年ですけどまだ青年役が問題なく似合うのが羨ましい(笑)
あとは脇役に絶妙なキャスト。ティモシー・スボール。
あ、これ悪人だ!と思ったら見事に裏切られて後半はお茶目な面も。善人面の人だとこの役に魅力は引き出せなかったでしょうね。


反重力、格差社会など小難しそうなテーマや設定がありますけど、この作品が割いたのは甘~いラブストーリー。
社会が引き裂いても、重力が反してようとも近づこうとする二人の話。SF映画を期待すると大外れなのでラブ・ファンタジーで見てていただければ楽しめると思います。

欲を言えば。
もう少しシリアスな部分もあると強弱がついてもっと面白くなった可能性もあったり。
けどそうするとこの甘いラブストーリー、見やすいファンタジーの要素が薄れちゃうので匙加減は難しそうですけど。

総評:★★★★☆
映像 (4) 構成力・展開 (4) 脚本(3) 役者 (5)
演出力 (3) キャラクター (4) オリジナリティ(4)
五段階評価です

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