クローズ・エクスプロード／ＥＸＰＬＯＤＥ　【豊田利晃監督】

映画館で鑑賞。

原作は「クローズ」「ワースト」ともに読んでました。前シリーズも両方ともＤＶＤで鑑賞済み。
熱狂的ではないですけど、あるとついつい読んでしまう漫画であり、映画もそこそこお気に入りのシリーズでした。
新シリーズとして劇場公開決定になりましたがそれほど心躍らず。監督も三池監督から代わったという話を聞いて不安でしたが、豊田監督の名前を見てそこは不安要素ではなく。ただ見ようかどうか迷ってました。時間があったので劇場へ。そんな感じです。

いやはや、なかなか熱かったです。
監督交代がどう影響するのか？に不安が少しはありましたけど、豊田監督はこういうバイオレンス系は得意の監督なので杞憂でした。逆に横スクロールのカメラワークが喧嘩シーンや、殴りこみ前を盛り上げを出したり。三池監督にはない色もあって、クローズは豊田監督のほうが合ってるかも。

ストーリー、構成は前作の焼き回し感が少々ありなのが残念でしたけども。
相変わらずの転校生が人波乱巻き起こす、めざすは頂点（てっぺん）、いまだなしえてない鈴蘭の制覇。あれ前作の源治の話はなかったことに？！とか。主人公に絡む三馬鹿トリオとか。これは、ま、原作からトリオが転校生に絡むという話なのでしかたないですね。あとは、校庭で両軍入り乱れての乱戦から、校舎を駆け上る・・・同じです、えーまったく同じです（笑）

違うのはキャラクターと、やくざの立ち居地とかでしょうか。
前作はやくざの息子であった源治の葛藤とかもありましたが、今回はそういうキャラではなく。ボクサーだった父が試合中に無くなった孤児院育ちの鏑木のお話を中心にちょっと、各キャラクターの身の上話も出たりしてます。片親家庭が多かったりしてますね。家庭環境や経済状況が裕福でない子が多いです。
キャラクター名は忘れちゃいましたけど強羅組のＮｏ２のリーゼントの子が、屋上でなんで牛乳飲んでるんだろ、不良軍団にしては珍しいな、と思ってましたら、これもちゃんと理由がありました。バイトで牛乳配達してるそうです。あぁ、それで飲んでたのか、と。クローズとかのキャラが好きなのは喧嘩好きの荒くれものどもで強面だったりしますけど、堅気にはそんなに迷惑かけない（たまに町内で喧嘩して迷惑かけてはいますが）や、妙な愛嬌があるところが好きなので、このキャラお気に入りでした（笑）あと遠藤雄弥さん演じる寺島。こちらも強羅組のメンバーですがスキンヘッドです。yahooの写真だと髪ちゃんとありますがあのスキンヘッド頭はインパクト大で、ぜひ続編あるなら再登場に期待してます。

勝地さんの３枚目キャラもよかったですが。

ただ主人公を演じた東出さんがですね。
不良役が似合わない（笑）
今回は不良役よりも喧嘩が強い役でして、キャラクターとしては問題なし
身長があり、アクションというか喧嘩シーンも見た目はばっちりなんですけど。
孤児院で子供と話すときの声のトーンが、不良っ気がゼロでこっちのほうがしっくり来ちゃう所が・・・（笑）
悪いとは言ってません、だたグレてる感が少ないだけでキャラクターとしてはちゃんと魅力ありました。

「誰も知らない」から時間も経ってるのは解ってたつもりですが柳楽はかわちゃってましたね。特にお腹周りが（笑）

あと、音楽も好きなのもよかったです。

クローズファンからは不評のようですね。
そこまで否定するほどひどくないような、と思ってyahooレビューを読んでましたらado_ado0925さんとoppeketarou2さんのコメントを見て「なるほど」と思いました。喧嘩アクション映画の色が強かった三池ＺＥＲＯに対して青春喧嘩映画の色が強い豊田エクスプロードで好みが分かれるみたいです。私は後者のほうが好きでした。
原作クローズではあまり描かれることのなかった、鈴蘭ふくむ面々の将来についての暗い話なども描かれてるところも原因かも。原作では自由に生きるさ、と描かれてますけどこちらは将来についての不安とかがかかれてましたので。

原作の時代にそろそろ追いついちゃうので、鈴蘭の話は今後は厳しいでしょうね。けど、もうひとつくらいこのメンバーのシリーズが見たい映画でした。

出来れば原作からの外伝的な話なら武装のメンバーの話が見たいです。

総評：★★★★☆＋
映像 （4）　構成力・展開 （3）　脚本（3） 役者 （3.5）
演出力 （3）　キャラクター （4）　オリジナリティ（3）
五段階評価です

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