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Channel: 映画を観る日々
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凶悪 【白石和屋彌監督】

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ブルーレイで鑑賞。


劇場公開時から気になってた作品というか劇場で見逃したのを公開していた作品。
予想通りに出演者が今年の映画賞を賑わしてましたし、日活実録ものは「冷たい熱帯魚」がすさまじかったので。そういえばこちらもまだ記事に出来てないので近いうちに。


【あらすじ・解説】『ロストパラダイス・イン・トーキョー』の白石和彌が、ベストセラーノンフィクション「凶悪-ある死刑囚の告発-」を映画化した衝撃作。ある死刑囚の告白を受け、身の毛もよだつ事件のてん末を追うジャーナリストが奔走する姿を描く。主人公を『闇金ウシジマくん』シリーズなどの山田孝之が演じ、受刑者にピエール瀧、冷血な先生をリリー・フランキーが熱演する。それぞれの男たちの思惑が複雑に絡み合う、見応えたっぷりの展開に引き込まれる。[Yahoo 映画]


いや~ですね、映画館で見なくてよかったです。
これは、映画館で見てたらしばらく立ち直れないくらい精神的にガツンときました。


予告や口コミで耳にしてましたが、見ると聞くとは大違い。


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ピエール瀧さんは温厚なキャラが多いんですよね。所属の電気グループではパフォーマーというポジションを確立したりライブでも楽しそうな面ばかり。「アナと雪の女王」では雪だるまのオラフの声をしてたりと。けど見た目は体も大きいし怖い顔するとアレですからね、今回は怖かった。「ブッコムぞこらー」とか怖い怖い。写真中央の顔で言われたら一目散で逃げます!このピエールさん演じる須藤ってのがサイコパスな殺人犯というより凶暴な暴力者でいて、ヤクザものの特有の身内に対しては違う面もあり、笑顔を振りまいたりしてるんです。その笑顔も魅力で無いといけないのでナイスキャストでした。
そして、先生こと木村演じるリリーさんは前々からあった怖さがここにきてはまり役が来ました。「モテキ」あたりから冷たい怖さが出てまして、この作品で隠さず発揮してました。どっちかっていうとこっちのほうがサイコパスの要素がありました。この二人のキャストした時点でこの映画の成功はほぼ約束されてました。

ここにプラスして、記者の藤井を演じる山田さんの静かな熱意が相乗効果あってキャストは最高でした。



話は、明るくなる話でないのはわかってましたが・・・
殺人の犠牲者も殺人シーンが、もうですね見ててつらい。
暴力もわかりやすい蹴る殴るの暴力だけではなく、酒を飲ませて弱らせたりとか尋常でないんです。犠牲になるのが老人とかだったりしますので一方的ですし。
しかし、それ以上に見ててきついのが、同時平行して藤井の家庭の話が。藤井家も母のアルツハイマーが進行。藤井は正義のために家庭は奥さんに任せて事件を追いかけることに熱中し。正義の旗を掲げて事件をおってるはずが家庭の暴力には気づけず。暴力はすぐそこにあったんです。
そして、須藤、木村の殺人が生まれるのはどこにでもある日常からだったり、誰の将来にもありえる話だったりするんです。
須藤と木村は非日常なのに犠牲者は日常のどこにでも、そして藤井の日常が見るものにいやおうなしに日常に引き戻してきて日常、非日常のラッシュに映画から現実に引き戻されて画面に映される絶望的な映像にガツンとやられます。


さらに、これノンフィクションなんですよね。
現実にこれが起きてたと思うと、なんて話!と叫びたくなる重さ。
見る前から重い話とはわかってたつもりなんですけど想像以上に重い話でした。この映画の重さはぜんぜん書けていない記事ですいません。終わりも綺麗な終りではないですし、刑法についてとか考え始めたくなる話です。
そういえば、今年の法改正で司法取引が可能になるみたいですね。殺人に関しては対象外になるみたいですけど。こういう話を見たり、アメリカのテレビドラマとか見てると司法取引っていい面だけでないので複雑です。

ただ、単に暗くなる話なだけでなくいろいろ考えさせてくれる映画だったりします。
見なきゃ解らない映画ですので一度は見て体感してほしい映画です。一見の価値は絶対にあります。

しかし、見てから重い気持ちになっても私を恨まないでください。お後がよろしいようで<(_ _)>


総評:★★★★★
映像 (5) 構成力・展開 (5) 脚本(5) 役者 (5)
演出力 (5) キャラクター (5) オリジナリティ(5)
五段階評価です

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