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Channel: 映画を観る日々
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ウッジョブ/WOOD JOB~神去なあなあ日常~ 【矢口史靖監督】

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映画館で鑑賞。


矢口監督好きでしたが、「ハッピーフライト」「ロボジー」とこじんまりとしたハートフル喜劇が続いていてイマイチ乗り気になれず。しかも、「テルマエ」に続いてふんどし姿が見えたので、これじゃ東宝男尻(だんじり)祭・・・上戸さんや、長澤さんのふんどし姿なら大歓迎なんですけど(笑)


【あらすじ・解説】『ウォーターボーイズ』など数々のヒット作を送り出してきた矢口史靖監督が、人気作家・三浦しをんのベストセラー小説「神去なあなあ日常」を映画化した青春ドラマ。あるきっかけで山奥の村で林業に従事することになった都会育ちの若者が、先輩の厳しい指導や危険と隣り合わせの過酷な林業の現場に悪戦苦闘しながら、村人たちや自然と触れ合い成長していく姿を描く。『ヒミズ』などの染谷将太をはじめ、長澤まさみ、伊藤英明、ベテラン柄本明らが共演する。[Yahoo 映画]


もう、今年の上半期ベスト1位です。
いやー面白かった。
そして、おかえりなさい矢口監督。


見る前が、乗り気じゃなかったのが嘘なくらいどっぷりはまりました。
まず、日活が最近良い仕事してます。現状、邦画は東宝の一強です。松竹も一時期の勢いはないですし、角川の隆盛は過去の話。映画館もシネマズでほとんど東宝。そんな中、日活が実録犯罪シリーズで話題作を提供したり・・・あれ調べたらガッチャマンも東宝と一緒になって作ってるのか・・・当たり外れが大きいのかな。そんな感じで今回は大当たりでした。
あと、矢口監督が街から帰ってきた感じ。私の住んでいるところは「村」とかよりも新興住宅地なので実際の生活がどうかはよく知らないのであくまでも想像ですけど。村のおおらかさ、な部分としがらみみたいのを描くのが上手い監督と思ってます。最初に書いた過去2作は監督が街に出て、会社のPRも兼ねた作品に見えてたりしました。監督の魂のジョークはどこに行ったんだよ、と嘆いていましたが今回、無事見ることができました。残念なのは盟友的な竹中さんが未登場なくらい。変なおじさん役でいっつも見かけてましたが今回はスケジュールか、竹中さんの色とは距離を置くか、矢口監督の知名度が充分なので竹中さんが一歩引いたのかな。ちょっと寂しかったですけど、いっつも出てるわけにはいけませんからね。


して、作品ですが。
染谷君演じる、大学受験に失敗。一浪もする気のない少年が就職ガイドから適当に見繕った中で、可愛い女の子が写ってるパンフに一目ぼれして林業に携わる物語。

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染谷君は大忙しですね。2014年の公開予定含めてヤフー映画の紹介欄が埋まってるくらい。今回の作品でも、ちゃらい青年が少しずつですが林業って、山ってのを知り成長していく姿を見事に演じてました。最期まで能天気なのが変わってなかったのと、こんな能天気なキャラも出来るとは、と驚き尽くし。

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長澤さんは・・・こんな子が村にいたら大変でしょうね(笑)プロポーズを受ける日々だと思います。
大抵、パンフの表紙を飾る女の子はイメージ映像で架空の村人でしょうけど、今回は本人が居ただけでも良心的(笑)
こんな子がいるなら私も林業に!と思いましたけど花粉症の私には無理な仕事でした・・・マスクしてても駄目っぽく。
この村はやたら美人が多くて。伊藤さん演じる林業の若頭の奥さんには優香さん。旦那さんとラブラブで人目をはばからずいちゃいちゃしてました。優香さん、私は女優や声優の作品を何作か見ましたが結構上手いと思い、女優向いてそうですけどイマイチ、女優だと人気でないですね。林業の中村組のトップの奥さんには西田さん。うーん、美人そろい。西田さんは矢口作品に久々の登場。お母さん役でした。昔、銀行のお金を・・・な過去話はなかったです(笑)

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伊藤さんはそんなに好きな役者さんでなく。どちらかというと出てると避けてたほうなんですけど、「悪の経典」あたりから気にせずみれるようになりました。今回は口よりも手がでる山の男をまさに熱く演じられてました。いいキャラで、映画を盛り上げてくれてました。
ちなみに林組とトップには三石さんで、「ヒミズ」のシーンを・・・今回はぜんぜん違う役でしたけど。

キャストも最高でしたし、ちょいちょい出てくる笑いのシーンもツボ。笑いに関しては個人、個人のツボがあるので参考になるのは「スウイングガールズ」のノリに近いのであれも楽しめた方には今回もおススメだと思います。
今回は最初のどうでもいいシーンが後半にしっかりつながったりしていて展開なども楽しめる内容になってます。
山と信仰も物語のキーになってたりして。山、木に携わってるとそこに信仰が生まれるんでしょうね。そして、山の怖さも知ってるので余計に。あまり関わることのない私ですが、今度山に登ることがあれは祠はお地蔵さんにちゃんと挨拶しようと思います。
音楽も良かったです。マイア・ヒラサワが歌う「Happiest Fool」がラストに流れるんですけど、冒頭と同じ「山」のカットなのに、主人公ユウキの心情の変化か、おどおどしい山から瑞々しい緑多い茂る山に変わり、この音楽が盛り上げてくれました。

そう、この作品は矢口監督のいつもの映画とは違う映像があってそれもツボでした。
どちらかというと綺麗な映像よりもほのぼのした人を映すことが多い監督なんですが。
今回は春の雪解けを微速度映像で草木の芽が伸びるシーンを撮ったり、山止めの日に入山するときの山の不気味な暗さ。木々の奥は暗闇でいつもののどかな風景が一変。そして神おろしのシーンの霧など映像にもこだわりが見えました。あ、なんかファンタジーな、宮崎アニメみたいな描写っぽくに書いちゃいましたけどそこまで大掛かりではございませんでして、あくまでも1シーンの出来事です。けど、重要なシーンなので監督の思いも強かったらしく山の怖さで雄大さが出てるシーンでお気に入りです。ちょっと鳥肌たっちゃいました。

あと、木についても。
今は道具も揃ってますのである程度知識がそろい経験もあれば木を倒すことは難しくなさそう。ただ、木が刈るってどんだけの仕事なのかと問われればそこまでは想像が回らず。今回、この映画を見て木が倒れるシーンが3回あるんですけどどれも迫力がありました。風向きで微妙に揺れる木。どっちに倒れるか解らない。そして、倒れていくときの木の頂上からの高さ、そして倒れたときの音。どれもアクション映画のよう。

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そして、ラストの祭で神木を倒木するシーン。これは大仕事で大迫力です。
オチにつながるのが解ってるので後半から面白おかしくなりますが(笑)


今年の春は「アナと雪の女王」が全部掻っ攫っていきましたので、この作品が埋もれてしまうことが残念です。もちろん、アナ雪も素晴らしい作品なのでヒットはうれしいのですが。向こうは入場で並ぶ人がいて、こちらは空席ばかりでしたので・・・


締めはなんでしょ、「愛羅武WOOD JOB!」でしょうか。劇中のあのシーンは声出して笑ってました(笑)
DVDでも楽しめそうですが倒木のシーンなどぜひ大画面の映画館で見てほしい作品です。


総評:★★★★★
映像 (5) 構成力・展開 (5) 脚本(5) 役者 (5)
演出力 (5) キャラクター (5) オリジナリティ(5)
五段階評価です

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