マレフィセント　【ロバート・ストロンバーグ監督】

映画館で鑑賞。

「ウェルウェル」のフレーズが頭から離れない、と以前の見たいなリストの記事で書きましたが、それ以外にこの映画に特に興味が引かなかったのでＤＶＤスルーしようかな～と思ってましたが、アンジー主演だし、時間も出来たし、で劇場に行ってきました。「眠れる森の美女」ですと、アンジーは最後は燃えちゃうの？なんて思い出しながら。

びっくらしました。
この映画の何がすごいって

旧ディズニーアニメの全否定！

マレフィセントのキャラがまったくの別物！
一方の視点だと悪人ですが、別の視点からだとまた違った内面に見える、ことはありますが、これは違いすぎでしょ。
話の根底からして違いますからね。一番の悪人は王様になってました。
「アナと雪の女王」では王子様が小悪人に成り下がり、こちらでは王様がだまし討ちの悪党に成り下がっております。
逆にマレフィセントはツンデレな母性に満ちた育ての親と化してました。「眠れる～」のほうでは３人の妖精が育ての親になるんですけど、今回はこの妖精がまさかの育児放棄！ここもちゃうんかい！と驚きの連続です。妖精のリーダーにイメルダ・スタウトンが居た次点で何かおかしいな、とは思ってましたけど。この人はひねくれたオバちゃん役が似合う（笑）
いやーここまでキャラクターの中身が変わってしまってるとは驚き。

そして、もう一つが真実の愛が運命の男女の愛から親愛の愛に変わったこと。
「アナと雪の女王」でも書きましたが、王子様信仰を叩き潰してます。もう白馬の王子様なんて居ないんだよ、とディズニーで育った婦女子からしたら驚きの展開へ。そして今回の王子様も実に残念な展開へ。登場シーンは、またナンパキャラで今回は大丈夫か？！と一瞬悪役を感じさせましたがそこまでひどくなく。ただ完全な脇役でした・・・頑張れ王子様。
アメリカの離婚率とか考えると、こういう展開もいたし方ないんですかね。「運命の人と結婚したのに、なんで、お父さん、お母さんは別れたの？」なんて子供がディズニー見て、親に聞く事も多いでしょうし、そのときの返答も困るでしょうしね。
なので今回も真実の愛は男女ではなく別の愛でした。

ちなみに劇中で笑ってしまうシーンが２つ。

まず１つは上の写真のシーン。
幼いオーロラ姫が距離を置くマレフィセントに気づき近づくシーン。
普通に見ると、二人の交流の１シーンなんですけど。
このオーロラ姫役が、アンジーの娘さん。もうですね、娘さんの目線が「ままーなにしてるの？」みたいなまなざしで演技とかじゃなく普通にほのぼの親子やん！と思いながら「ふふふ～」と口元がにんまりしてしまうシーン。いい親子のようで何よりです。もう、目線がまんまなんでぜひ見てにんまりして欲しいところです（笑）

あと一つは世代によってとかで違うと思いますが。ラストにマレフィセントが窓を突き破って飛ぶシーンがあるんですけど。
どこからとなくデ○ルマーン♪のテーマソングが聞こえてきます。あれ、コレはディズニー映画と思いながら耳に入ってくる不思議なシーン（笑）それにしてもアメリカでもデビルマンって放送されてたのかコミックスとかあったんでしょうか。絶対影響されてる、と思いたくなるカットがあるのでぜひ。これは人によってはテーマ曲流れないかも。

あと悲痛なほうも一つ。
マレフィセントの翼が奪われるシーンなんですけど。
アンジーのあの手術が一瞬頭をよぎり、あのときの心情も・・・なんて。ちょっと重みが大きかったです。

キャストでもう一人

エル・ファニングも大きくなりましたね。笑顔も素敵な女性になってました。
お姉ちゃんと共に無事に成長しててオジさんホッとしてます。

「ディズニーの眠れる森の美女」を見てる身としてはちゃぶ台返しの別物作品に驚きましたが、これはこれで面白かったので楽しめました。元を見て無くても楽しめそうですし、元を見てても別物仕上がりに相違点を探して楽しめるかも。

ディズニーは次は何をぶち壊してくるんでしょうか。
「シンデレラ」のその後の人生？
「リトルマーメイド」の悲話？
うーん、どれも嫌だな（笑）

総評：★★★★☆
映像 （4）　構成力・展開 （3）　脚本（4） 役者 （5）
演出力 （3）　キャラクター （4）　オリジナリティ（4）
五段階評価です

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