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エンダーのゲーム 【ギャヴィン・フット監督】

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DVDで鑑賞。


劇場予告の時点でDVD待ちを決めてしまってた作品。
原作は未読です。
宇宙戦艦の戦闘シーンなど映像効果は劇場向けでしたが予告動画の意図がさっぱり解らず、結局、エンダーが才能を発揮する映画を見に行ってどうするんだろ?ということで映画代まで出す気にならず。DVDのレンタル待ちにしました。


【あらすじ・解説】1985年に出版された、オースン・スコット・カードによるSF小説の名作を実写化。昆虫型生命体と人類の戦争を終息させる能力と宿命を背負った少年の成長と苦悩が描かれる。監督は、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』などのギャヴィン・フッド。『ヒューゴの不思議な発明』で注目を浴びたエイサ・バターフィールドが主人公のエンダーを好演、名優ハリソン・フォードやベン・キングズレーなどの実力派が脇を固める。宇宙船の艦隊が銀河を行く戦闘シーンなどのVFXビジュアルも必見。[Yahoo 映画]


あれ?見ると内容があってなかなかのSF映画。

普段、こういったSF映画の主人公は一般人、もしくは下級兵士の活躍!な展開が多いのですが。
この作品が他と違うのは元帥というのでしょうか。勝敗を分ける戦略を立てる大本営目線の映画です。
大抵は大本営が無能、未経験でとんでもない戦略を立てて、部下の兵士が不満を口にしつつ活躍するパターンが多いです。これだと実社会の会社の方針のストレスなどが映画と重なり、主人公の活躍で普段のストレスのちょうどいいはけ口になるもの。
今回の映画はそんな大本営ではなく、指揮を執ることに苦悩する少年の姿がメインです。これは他の映画ではない映画としては新鮮な切り口でした。本とかだと他にもあるのでしょうか。
あとは、昨今のハリウッドで多い、敵とは、己の信ずる正義とは?と自問するところは原作通りだったのかは解りませんが。イラク戦争辺りからこの手の話が増えた気がします。自分たちが正義だ!と思ってたら、向こうにも正義があって家庭があってなどが見えちゃったんでしょうね。昔は、正義の味方!なんて簡単な図でしたけど、今は正義の味方、英雄の描きかたもハリウッドでは難しくなったようです。マーベル映画は最近、単純路線で正義の味方像が解りやすいのででお気に入りな映画が多かったりします。


そんな、こんなで予告で感じたイメージよりも実際に見たほうが面白かったです。
う~ん、劇場で見たほうがよかったかな、と思うところもあるんですけど。

言わせて欲しいところが何個か。

サードの意味がよく解らないまま映画は突き進んでいきます。
観客はポカーンです。解るのは中国の一人っ子政策の世代くらい。
劇中で、3人目を生んではならない的なことがある、という説明はあるのですが、なぜ3人目を産んではならないのかの説明がほぼなし。劇中のセリフや状況説明からの予想ですと。人口の爆発が資源不足で増加を止めたいのかな、のはず。そういった要素や描写はあるんですけど。明確な理由は描かれず。

ただ、では、なぜ3人目(長男、長女のあとで次男)の主人公は産むことが出来たのかは謎のまま。
遺伝子的に優秀だから?というわけでは両親の現在を見る限りなく。軍関係者ではない様子。遺伝子的に指揮官の才能があるという訳でも無く。おじいさんが英雄だったということもなく。この部分はほんとに謎のままでした。
予告でも禁断のサードと煽り文句がありましたけど、劇中での説明が無かったので、この辺りが少々残念な点。
サードを産めた理由が解らなくても話の全体は解るのであればよかったかな、くらいなんですけど、見終わったあとにしこりが残ります(笑)

もういっちょ。
模擬戦の迫力不足。
イマイチ、何がどうなったら勝つのか負けなのかわからない生身の模擬戦があり。しばらくそれをして、次はいきなり艦隊戦の模擬戦が始まります。間、飛ばしすぎと思いながら、原作は描かれてそうですね。映画では割愛して模擬線、本線へ突き進みます。主人公も戦術の立案などで活躍しますが、結局は実戦経験のないまま少年をいきなり本線で起用。この辺りもこりゃまたとんでもない大本営っちゃ大本営でした。

なので、見終わると、あれ、原作だともっと描かれてたのでは?と映画の描写不足にもやもやもします。
原作の宣伝映画としては逆に素晴らしいかも。映画としてはバッテンですけど。
ラストにいたっては僕の戦いはこれからだ!と少年漫画の打ち切りラストみたいな展開で、続きが気になるようなならないよう終り方します(笑)
終わり方からして映画はもう続かない、はずです。あそこから話続けられても面白みが欠けそう。


タイトルと公開時期が「ハンガーゲーム」と似ちゃったので「の」をつけて濁してる感じあり。
原題がエンダーズゲームなのでいたし方ないですけどもう少しひねるのも手ですよね。


致命的なのが結局は予告動画


エンダーの「戦い」か、「成長、冒険譚」にするかで、前者をとって戦いだけに集中してしまい、才能ある少年が軍部でのし上がる苦悩と指揮、戦いとは?!と作品の意図と違い、エンダーが成長して敵艦隊をボコボコにするシーンに時間を割いてしまってました。予告で観客の鑑賞動機を失ったかもしれない映画です。


実際、映画を見てみると中身のある映画です。
ただ、描ききれてないところが惜しい映画です。
ブエナビスタ表記ラストの作品にしてはお金の出し惜しみで1作に絞ったのが勿体ない話でした。
3部作でじっくり描いてたら変わってたかも。
そんな映画です。


総評:★★★☆☆+
映像 (3) 構成力・展開 (3) 脚本(2) 役者 (3)
演出力 (3) キャラクター (3) オリジナリティ(3)
五段階評価です

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