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Channel: 映画を観る日々
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くちびるに歌を 【三木 孝浩監督】

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映画館で鑑賞。


タイトルは見た記憶がありましたが当初は見に行く気にならず。
ただ。劇場で流れた予告を見て俄然見たくなり劇場へ。
もう、アンジェラ・アキさんの「手紙」が涙腺に来るな。それだけで決めました。
あ、あともう一つ。合唱シーンで足を肩幅に広げるカットに惚れ込みました。


【あらすじ・解説】シンガー・ソングライター、アンジェラ・アキの名曲「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」を題材にしたテレビドキュメントから着想を得た中田永一の小説を実写化。輝かしい才能を持つピアニストだった臨時教員の女性が、生まれ故郷の中学校の合唱部顧問として生徒たちと心を通わせていく。メガホンを取るのは、『ソラニン』『ホットロード』などの三木孝浩。『ハナミズキ』などの新垣結衣がヒロインにふんし、その脇を木村文乃、桐谷健太ら実力派が固める。オールロケを敢行した長崎の風景も見もの。[Yahoo 映画]


あかんわ、あの歌!普通に泣くって。

相変わらず私は泣くことはなく・・・

                    けど

胸が熱くなり、鳥肌と汗が!

(私の最大級感動発作の一つ)

                                記事にする前に見た直後の私の感想メモより。


という実に素晴らしい映画。



「マエストロ!」のときも書きましたが。
音楽の力の素晴らしさに映像が噛み合った見事な1本。

三木監督の「ソラニン」も音楽ものといえば音楽ものなんですけど。そこまで来なかったです。こちらは良かった。
一つ物足りなさがあるとすれば。予告からの予想で。合唱部の全員が10年後の自分に手紙をつづるのかな?と思ったらそうではなく。まあ、全員の手紙をドラマに仕立てるととんでもない時間がかかるのでいたし方ないか。これでも132分の尺なのであと10分は足さないと無理ですし。不満というか、欲張りにもっと見たかったな、という前向きな物足りなさです。


予想以上の出来栄えが。
生徒役たちの演技。
特に、ストーリーでメインになってる、ナズナ役の恒松祐里さんと、サトル役の下田翔大くん。

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写真の一番左の子。
恒松さんは声が出てていいですね。あと、この思春期の時期によくある男子を毛嫌いする女子を見事に(笑)声もいいので声優業も期待したいところ。まだ17才ですか。今後期待です。

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こちらも写真一番左の子。
下田くんは家庭の事情もあるのと、生来のおとなしさでクラスによくいる大人しくて気づかれない子が似合う。で、似合うだけでなく、目線を合わせずおどおどしてるのが上手かった。こちらはまだ13才!成長してしっかりした体格になっても期待できそう!
あと、この年でどんだけ達観してるんだ、という手紙にしんみりしちゃいました。出来れば、母親あたりからそんなことない!って言葉も欲しかったんですけど。どこかで言ってほしかったな・・・

他の子もまだ10代半ばの子も多いのにハキハキ喋る子が多くて好感度大。NHKみたい、と言われればそれでおしまいですけど・・・やっぱりうじうじしたのより明朗なほうが見てて晴れやかになるのでいいです。


逆に。

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いつも晴れやかな笑顔のはずのガッキーこと新垣結衣さんは笑顔を封印。ふてくされ顔で終始してます。
ただ、たまに緩んじゃって笑顔になるとやっぱ可愛いですよね。さすがアイドル!です。身長が伸びてどんどんスラリとした美人さんになってるようで。日本の男性俳優陣だと共演が色々と難しいようですが。身長がある程度あったほうが女優さんとしては映えますので今後ますます期待ですね。

脇もしっかりした人がそろってますし。
何より、サトルの両親には強面父をさせたら一品の小木さん。そして、ちょっと?いや本格派幸薄女優の木村たえさん。
木村さん演じる母親の見た目は弱そうなのに、ちゃんと子供のことを見てる芯のある母親はやっぱいいな。「モンスターズ」の幸薄だけよりやっぱ、こういう役が似合います。あと、先に書いたサトルの心情に関して。このお母さんならどこかでちゃんと、サトルの人生はサトルのものなんだよ!って言ってくれそうなのでなお良かった。


このキャストの魅力と、歌の力でラストまでがっつり楽しめる映画です。
特に後半の歌唱シーンは、普通の人には涙腺攻撃が凄いです(笑)
私は相変わらず泣かなかったですけど熱くなったシーンです。まず、手紙の合唱シーンは来ますね~歌の魅力に歌詞が聞いてるうちにスッと耳にはいってきて。あぁ15のころの私よ、15の今の私、など思い思いに自分の世界に入るもよし。映画のキャラに思いいれるも良しで素晴らしい曲。これでも充分な破壊力あるんですけど。見てのお楽しみに言わないですが。もう一つ隠し武器があり!これは来ます!学校の垣根とか越えて歌うことが好き!ってのが伝わって。今、記事を書きながら思いだして鳥肌が立ちました。


あと春に上映されたのもタイミング的にも抜群。

長崎を舞台に初夏から夏にかけての物語。心が体が知らないうちに照らす太陽を求めてるんですね。あの青空にも引き込まれました。

あとは長崎の風景!

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綺麗な海ですね。ぼー、ぼーと口ずさみたくなるのも解ります。

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この草原シーンもいいですし。
あと、長崎ならではの坂道・・・あれは生活してると慣れるのかな、きつそうな坂が随所に><などその土地の魅力がでてて尚、良かったです。


では、最後に。
この映画を見に行く最後のきっかけになった合唱シーンの足を肩幅に開くポーズ。
よく授業とかでこういうことしてましたので何気ないシーンっちゃ何気ないシーンなんですけど。
歌舞伎で言う見栄なんですよね。これから歌うぞ~!てのが伝わってきて歌が気持ちよく入ってきました。何気ないカットなんですけどこれがあると無いとではかなり違うので嬉しい演出でした。


毒っ気のないストレートな学園青春ものです。
夏が待ち遠しい、新しい生活が始まる、春にだからこそ。そして、この物騒な世の中なのでこういう映画を見て心洗われてみてください。



総評:★★★★★
映像 (5) 構成力・展開 (5) 脚本(5) 役者 (5)
演出力 (5) キャラクター (4) オリジナリティ(5)
五段階評価です

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