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Channel: 映画を観る日々
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駆け込み女と駆け出し男 【原田 眞人監督】

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映画館で鑑賞。


予告を見ていて気になった作品。
原田監督は一度だけ学校の公演会でお話を聞いたことがありますが、かなりざっくばらんなお方。ただ、「金融腐敗列島」辺りからでしょうか。社会派な監督で本領を発揮されまして。だんだんお堅いイメージが私の中でつくようになり。
そんな中。
大泉洋さんのあの独特の高い声が予告で響き渡っておりまして。これは何か化学反応の予感が・・・と楽しみにしてました。



【あらすじ・解説】劇作家・井上ひさしが晩年に11年をかけて執筆した時代小説「東慶寺花だより」を映画化。江戸時代に幕府公認の縁切寺であった東慶寺を舞台に、離縁を求めて寺に駆け込んでくる女たちの聞き取り調査を行う御用宿の居候が、さまざまなトラブルに巻き込まれながら訳あり女たちの再出発を手助けしていくさまを描く。『クライマーズ・ハイ』、『わが母の記』などの原田眞人監督がメガホンを取り、主演は大泉洋。寺に駆け込む女たちを、『SPEC』シリーズなどの戸田恵梨香、実力派の満島ひかりらが演じる。[Yahoo 映画]


大当たり!
見事な化学反応で最後まで楽しみました!!

どれくらい、良かったかと言いますと。
上半期ベスト3の1本。今月みた「セッション」も良かっただけに1位とは言えず。ただほんとに甲乙つけがたい。


あちらが心と頭と精神を同時に揺り動かされる衝撃の1本なら。
こちらは

ワビサビと人情と

心の機微がグッとくる1本


どこが良いと聞かれれば。
全部いいです(笑)

私の評価項目順(適当に並べてコピペしてるので私の見る重要項目とかではないのですが)でいいところを。


まずは映像。
日本の四季が美しい!!
東慶寺の風景がインサートで計4回映るのですがどれも美しいです。春は花木が美しく、夏は緑葉に生命を感じ、秋は紅葉に見とれ、冬は雪景色に少ししんみりと。こういう風景絵が大好きなので見事に心奪われました。
もちろん、風景絵だけではなく。寺院内もですし。最初のほうで流れる江戸の町並もよかったです。


ストーリーも良かったです。
一応、主人公は大泉さん演じる中村信次郎なんですが。ヒロインの二人が寺院に駆け込み寺院は男子禁制なので視点は交互になります。このテンポも良かったですし、話が実にいいんです。
気になってたのは。昨今の研究とかを聞きますと。江戸時代はそれほど妻からの離縁が難しい時代ではなく、と聞いてましたのでイマイチ、この映画の根幹に不安がありました。けど、どの時代もすんなり離婚出切るとは限らず。DV夫と別れるのは今も大変ですから。当時はもっと大変でしょう。そういうときのための東慶寺だったのでしょう。
信二郎とじょごの話でもあるのでこちらにスポットが浴びる時間が長いですが。
お吟の話もまた。
堀切屋を演じるのが堤さんだったのも良かったですね。男前の体現者(笑)
なぜ駆け込んだのか。この理由を知ると涙が・・・私は泣かなかったですけど。ジーンと来ました。
もう、覚えておいてほしいのが「べったべった、だんだん」あれは胸に来ます><

もう、このまま東慶寺でみんな仲良く生活できれば一番でない?と思うほど、この時間が愛おしくなりました。それほどに心地良い状態。

けど、そんな中。
ちょっとサスペンスというか危機的状況もありまして。
天保の改革の真っ只中というところも興味深く。強い幕府が強権を発動してあの手この手で庶民の暮らしに締め付ける描写があり、東慶寺も大丈夫か?と不安を煽られます。この心地よさと不安がいい感じに交互に来ていい緊張感もあって最後までグイグイと引っ張っていってくれます。

里見八犬伝の完結は・・・当時の人は気なるでしょうね。私は漫画でですが。この漫画の完結はしてほしいがいっぱいありますので他人事ではなく。共感度大でした(笑)



そしてキャスト。
大泉さんが見事な化学反応を起こしてくれました。


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この人の軽妙さが活きてました。やっぱいいな大泉さん。もう、この人のファンなので偏ってるかもしれないですけど。いや、そんなことはないはず。この人ほど三枚目と二枚目が出切る人はそういない。

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そしてあの口上をズバッと決める辺りの演技力。やっぱ稀有ですよ。この人無しではこの映画の成功は無かったかも。

そして、もう二人。
戸田恵梨香さん。


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この方の作品は今年は大当たり。「エイプリルフールズ」も良かったですし。この作品でもつっけんどんからの~少しづつ心開いていくのは良かった(笑)言いたいことたくさんあるんですけどネタバレになるのでこの辺で。


もう一人は満島さん。

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もう彼女が凄い。眉無しでもりりしいのと、あの独特の高い声がマッチしてました。そこで、あの、べったべっただんだんのときにグッとくるんですよね。私の大事な妹も胸にきたな~綺麗なだけでなく、頭がよくてしっかりもので芯のあるのがほんとにはまってました。

他にも素晴らしい役者さんが多数。樹木さんもよかったですし。


演出の関しては。
ここだけ好みが別れそうですね。
原作通りなんでしょう。セリフがところどころ解らない。これは文脈とかではなく、当時の言葉の知識不足の私のせいですが(笑)半分わかって半分くらい解らず。歌とかはある程度解るんですけど。冒頭の会食シーンはなーんとなく解ってるだけで言葉の意味はほとんど解らず。けど、主人公が戯作者志望ということで言葉のやり取りも見所の一つなので面白いところもあり。さきほどの口上しかり、言葉の由来やり取りしかり。あと方言の温かみもありでセリフのやり取りも見所。



ということで。
もうどこを切り取っても私の大好きな映画です。


井上ひさしさんの本がまず全てとは思います。いい話と視点の面白みが存分にあり。
これに原田監督の安定の演出力とスタッフ人脈でがっつりした時代劇をベースに。
これまた監督の人脈で揃った名優がズラリの中に若手の女優お二人と大泉さんの科学反応。


ちょっとだけチャンバラアクションあり、幕府の暗躍などのサスペンスあり、人情話あり、ラブスートーリーも悲喜劇もありの良質娯楽時代劇です。

おススメの1本です!


総評:★★★★★
映像 (5) 構成力・展開 (5) 脚本(5) 役者 (5)
演出力 (5) キャラクター (5) オリジナリティ(5)
五段階評価です

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以下ネタバレなので悪しからず。




























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そうそう、鯵売りの女性の話もここで来るか?!とグッときました。
まさか、こう繋がってるとは。


じょごの話は。
ラストはてっきり元鞘かな?と思いました。
今の時代と変わらず、昔もダメンズ好きって居るでしょうから。
けど、重蔵が改心しちゃったからですかね?(笑)
手の焼けどもあって鉄と向き合ってるのを見て、もう大丈夫かな、新しい自分を見たいってのがじょごにも芽生えたのでしょうか。
あのくちづけのシーンまでちょっとドキドキしましたし。
してるときもドキドキしましたけど(笑)あらま積極的になってと。ありゃーかかあ天下になりますよね(笑)

とりあえずこれだけ言いたかったです^^
























最後までお付き合いいただき有難うございます<(_ _)>

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