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Channel: 映画を観る日々
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桐島、部活やめるってよ 【吉田大八監督】

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DVDで鑑賞。

たまたま時間潰しように原作を購入して珍しく映画を見る前に既読済みの映画です。時代小説はたまに読みますが現代ドラマの本はめったに読まないので私としては原作既読済みの映画は本当に珍しいです。

さっそく、余談ですけど。
タイトルをどこかで「ナルト」みいたいに「部活やめるってばよ」と書かれたものを読んでしまい、ついついタイトルを読んだときに「やめるってばよ」とまったく別物のタイトルになってしまってます。ほんと余談ですいません。


【あらすじ・解説】早稲田大学在学中に第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウのデビュー作を映画化した青春群像劇。学校一の人気者である男子生徒・桐島が部活をやめたことから、少しずつ校内の微妙な人間関係に波紋が広がっていくさまを描く。学校生活に潜む不穏な空気感を巧みにあぶり出したのは、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の吉田大八監督。クラスでは目立たず地味な存在の主人公に神木隆之介がふんするほか、『告白』の橋本愛、『SAYURI』の大後寿々花らが共演する。[Yahoo 映画]


これは、原作読んで映画観てよかったと思った作品でした。
もし原作を読んだり、作品の情報を知らないまま見てたら、いつになったらタイトルに書かれえる「桐島」は出てくるのだ?とそっちばっかりに気をとられてしまい作品についてちゃんと観られなかったかもしれないので。

この映画、原作で丁寧に描かれてるのは学校のどこにクラスでもあるヒエラルキーの存在。
学生当時は何の疑問を持たず生活を送ってましたがこの年になってこの本をよんで、映画を観て改めて思います。目に見えない階級というかグループ分けは自然と出来ていて、いつのまにか暗黙の了解みたいなものが出来ていたことを。

私は思いっきり「前田」いや「武文」のポジションでしたね(笑)
前田はなんだかんだ能動的でしたがそういった性分はまったく無かったので付いていくだけの武文的な人間でした。

原作だと前田は後半に書かれていて文化部の代表的な扱い。ただ、どちらかというと桐島の影響度の大きい彼の友人、彼女、関係するグループがメインでしたので、原作の雰囲気と映画の雰囲気はまた別のものになっています。映画化にあたってやはり同じ映画を作るキャラに思いいれがあったのか前田目線で描かれることが多くなってるのが映画バージョンです。原作ではないシーンも多いですし。
どっちがいい悪いではなくて、描かれてる心情の量の差でして。映画を観て気になった方は原作を読むと菊池や竜汰、友弘の感情。宮部の苛立ちなどがちゃんと描かれているので映画での感情がもっと伝わりますし、原作既読でも前田と映画の関係が別の角度で描かれてるので楽しめました。

特に8ミリフィルムについて。
もう絶滅危惧種な機材です。よほど拘りがない限りは8ミリで撮影するのには金銭面でも、設備でも苦労することが多い現状。私は初めて学校で16ミリフィルムカメラで撮ったものが現像され試写室で見たときの気持ちは今でも忘れられません。普段めにする何気ない風景が不思議な色合いで、それだけで映画を感じました。前田もフィルムの映像について汚いことは否定してませんでしたがそこに何かを感じてましたので凄い共感できました。デジタルテープではだせない色(お金かけたりすれば出せるでしょうけど市販でカメラでは・・・)それだけでフィルムに価値はあると思ってます。デジタルだと実録、ニュース映像と変わりない映像がフィルムで撮ればそれだけでフィクションが成り立つと学校の先生が語っていたことを思い出しました。ただお金が膨大にかかるので自主制作がどんどんデジタルカメラに移るのも解るんですが。

そんな、フィルムへの思いがこめられた屋上でのシーン。
ゾンビのシーンも、最後に菊池を撮る前田のカットを見てなにか胸が熱くなりました。
屋上の夕焼けも綺麗だったのも大きいかな。「マジックアワー」の効果は絶対ありますね。前田があの時間に拘ったのも納得です。

なぜ、桐島が部活を辞めたのか、そして登場しないのか。
それを考えても意味の映画です。
桐島が消えて、いつまでも続くと思っていた日常が変わり、小さな激動が生まれ、周りに人間たちの感情が変わり悩む。その4日間を切り取ったまさに青春ドラマ。青春映画は年をとってみると青臭くて辛い映画がたまにありますがそういったものより、感情移入のほうが大きくついつい見入っちゃいました。オススメです。


タイトル用に画像を探してましたら人物関係図があったので参考に

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総評:★★★★☆+
映像 (4) 構成力・展開 (4) 脚本(4) 役者 (5)
演出力 (4) キャラクター (4) オリジナリティ(4)
五段階評価です

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